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コラム『カシオペイア』(アーカイブ)

コラム『カシオペイア』(アーカイブ)第76号
子どもと一緒にあそぶということ
稲松謙太郎

2021.10.27

「真剣に子どもとあそぶってことはめちゃくちゃ大変なことですが…」と学生の時にキャンプの師匠に言われたことを思い出しました。
この言葉は、あるキャンプのスタッフマニュアルの前文のなかに出てくる「キャンプスタッフの役割」を読み合わせていた時に、師匠の口から最後に出た言葉でした。その時には、理解していたつもりでしたし、その後幾度となく子どもたちと関わる中で、経験や実感を重ね、一緒に活動するスタッフへも伝えてきた言葉でした。
先日、久しぶりに主催事業で幼児向けのフリープログラムの1DAYキャンプでディレクターを務めた時のことでした。その日は、1:2の比率でスタッフと子どもがいる予定でしたが、参加者が急遽のキャンセルで減ってしまい、スタッフの人数が過多の状態ができあがってしまいました。そのまま活動を進めるか迷いましたが、スタッフにとっても貴重な現場での活動ということを考え、スタッフの数はそのまま活動を実施しました。
網を持って小魚や川エビをすくったり、大きな砂山を作ってトンネルを掘ったり、草むらへ入っていってトノサマバッタを捕まえたりしていました。
大人の人数が多いことで目が届くこともあって、子どもたちは自分たちがやりたかったあそびをすることができました。子どもたちは楽しかったと思いますし、満足もできたのではないかなと思います。
ただ同時に、これは自然体験のプロとしては、もう1歩深める必要があるのではないかと思いました。
この日のキャンプスタッフたちは、「子どもがあそんでいる場に一緒にいた」という状態でした。安全管理をし、見守っていたという感じです。もちろん最低限の必要なことだと思いますが、これはどんな大人でもできることではないです。プロとして、子どもたちがやりたいあそびをしつつもちょっと背伸びさせてあげる関わりがもっとできたのではないかと活動を通して感じたのです。
例えば、「あそびをとことん一緒にやってみる」。子どもたちと一緒に没頭してあそぶことで他の何かに気づけると思います。また、「あそびをちょっと変化させてみる」。新しい発想が加わることで、もっと楽しいことに変化するかもしれません。
子どもたちがあそびの中でさまざまなことを体験し、学ぶことは、みなさんもご存じのことだと思います。子どもたちからできることを奪わないで必要な援助をし、自然に配慮しながら、真剣にあそぶことはとても大変なことであることを改めて認識しました。
あわせて、ただただ一緒に見守るだけでなく、キャンプスタッフの立場を最大限に活かした関わり「子どもと一緒にあそぶこと」の難しさも感じました。
わかったと思っていた言葉もさまざまな経験を積み重ねるとまた新たな一面に気づかせてくれます。
自分も学生の頃のようには、走れなくなってきましたし、子どもたちにとっては「キャンプのお兄さん」ではなく「キャンプのおじさん」になっています。
体や容姿が老いて変化していく一方で、技術や考えは熟練され、積み重なっていくものもあります。
今までの経験を活かし、思考する。仲間と思いを共有し、協力しながら施行する。まだまだ続けていくべきことがたくさんあるのだなと久々に関わる幼少の子どもたちから学びました。
改めて、子どもと一緒にあそぶことで「楽しかった+α」を持って帰ってもらえる体験が提供できるプロ指導者を、またいつもやっていることをもう一歩深くまで踏み込んで考えることができるプロ指導者を目指し、同志と協力し、新しい指導者を育てていくことを目指し続けたいと思います。
 みなさんはどう思いますか。未来の日本を背負って立つ子どものために私たちに何ができるのか引き続き議論していきたいです。
稲松謙太郎

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