コラム『カシオペイア』(アーカイブ)第46号
中山道奈良井宿に泊まる
桜井義維英
2021.3.14
先日、今年度最後の講演会『円形劇場』でした。ゲストスピーカーは、創業85周年を迎えた木曽漆器の産地問屋である酒井産業株式会社の社長、酒井慶太郎さんでした。
とても、熱いメッセージを頂戴しました。その内容は、ぜひ、動画をご覧いただければと存じます。(https://note.com/momosroom/m/m474314ee55da)
講演いただいた後、酒井さんと少しお話をしたのですが、とっても楽しいプログラムが生まれましたので、ご紹介します。
酒井産業がある場所は、中央西線贄川(にえかわ)駅から2キロちょっとのところです。
わかりますでしょうか…塩尻と名古屋の間を走るのが、中央西線(中央本線のJR東海区間の通称)です。
そして、贄川駅は中央線塩尻駅から3つ目ですが、その2つ先の奈良井駅は、中央西線で一番標高の高い駅で、分水嶺に近い駅なのです。
ここを源流として塩尻市、松本市へと流れ、梓川に合流し、日本海へ流れ出ます。
奈良井駅の次の駅(名古屋側)の藪原駅のあたりを起点とするのが木曽川で、こちらは太平洋へ注ぎます。
そして、この分水嶺の峠が有名な鳥居峠です。藪原と奈良井の間には鳥居峠ハイキングコースがあり、約6キロ3時間のコースです。
しかし、このハイキングのコースよりも何よりも、この奈良井宿は中山道の宿場でもあり、漆塗りの町でもあります。
写真を見ていただいてわかるように、とても素敵な古い街並みが保存されていて趣があり、かつ伝統工芸の町でもあります。
そんな街並みの中に泊まって、そこで、伝統工芸の製作体験をし、源流部の川に遊び、ハイキングをする。
そんな至福の時間を過ごすキャンプなんていかがでしょう。体験型旅行というジャンルに入ってしまうかもしれません。
しかし、ひとつしっかりとした伝統工芸品を作って帰ることで、日本の伝統文化に思いを深めることができたら、素晴らしいキャンプなのではないでしょうか。
奈良井宿観光協会
https://www.naraijuku.com/
2021年3月7日記
桜井義維英