日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

コラム『カシオペイア』(アーカイブ)

コラム『カシオペイア』(アーカイブ)第30号
自然体験プログラムを作る仕事
桜井義維英

2020.11.14

このコロナ禍で、航空業界もバス業界も、需要の回復の見込みが立たないようです。先日行われたJALの決算の記者会見でも、コロナ前のような状況になるのは2024年以降となるという見通しを立てているそうです。
では、自然学校の自然体験活動は、どうなのでしょう?同じように2024年頃まで戻らないのでしょうか?
自然体験活動は、参加者もほぼ国内の方々ですから、もう少し早いでしょうが、逆に構造的に自然体験活動を行う場が変わってしまうことも考えられます。
もちろん、自然学校はその場を提供し続けるでしょう。しかし、その数が減り、他の場で自然体験が行われるようになることもうかがえます。都市近郊のキャンプ場やオートキャンプ場が、このコロナ禍でも活況を呈してきているのです。
そうです、家族旅行でいろいろな体験をしようという流れが見え始めています。
自然学校の実施する、子ども達が相互に刺激しあうような自然体験と、家族が行う自然体験とは、もちろん目的や、その感動の度合いが違うかもしれません。

でも、かたくなに自分たちの自然体験を主張し続けていても、社会の動きにはなかなか抗えないでしょうし、取り残されてしまうかもしれません。
では、私たちの活路はどこにあるのでしょうか。
例えば、家族が自然体験をするときに指導をするという方法があります。
スキーのように、ホテルや民宿に泊まったお客さんに、自然体験を提供するという方法も考えられるかもしれません。
オートキャンプ場に体験デスクのようなものを置いて、参加者を募集するような活動もできるかもしれません。

しかし、これは以前、オプショナルツアーデスクというような名称で旅行社が行っていました。大きなホテルでないと、成立は難しいかもしれません。
小さな宿などでは、宿のスタッフがその指導を兼務する方が現実的でしょう。
だとしたら、宿泊施設の担当者や、キャンプ場の担当者を集めて、パッケージの体験イベントと、その指導テクニックを伝授するということが自然学校の仕事になるかもしれません。クラフトとか、ちょっとしたゲームハイキングとか、宿舎内ラリーなどの作り方の講習会をするのです。
また、それぞれの施設オリジナルの体験活動を開発してあげることも自然学校の大切な仕事になるのではないでしょうか。
これは、製作費をいただき、自然学校の職員が施設に赴いて、プログラムを作り、ある程度軌道に乗るよう実施して、施設の担当者にそのノウハウを伝授してくるまでが、自然学校の仕事となります。
今までと少し違う視点で、今までより少し視野を広げて、これからのあり方を考えていきませんか?

2020年11月4日記
桜井義維英


コメント

コメントはまだ投稿されていません

コメントを投稿する