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コラム『カシオペイア』(アーカイブ)

コラム『カシオペイア』(アーカイブ)第42号
ビバーク
桜井義維英

2021.2.14

ビバーク』というプログラムをご存知でしょうか。OBS(アウトワードバウンドスクール)では、『ソロ』といわれるプログラムです。
国際自然大学校で私が考えたプログラムは、このソロにいくつか別の要素を加えて、活動そのものはソロですが、目的は全く違うものに仕立てました。
どんなものかをお知りになりたい方は、桜井までお問い合わせください。国際自然大学校在職中に発刊したアウトフィッターマニュアルのビバークのところを御覧に入れます。

このラインより上のエリアが無料で表示されます。
その中で、目的として書いていることが、ふたつあります。
ひとつが「空腹、孤独、寒さを体験することで、価値観の物差しを手に入れる。」
ふたつめが「今後の人生の中で他者のためにどのようなことをしなくてはいけないかを考え、実際の行動計画を立てる。」という、ふたつです。
先日そのことで、お手紙をいただきました。それも、立て続けに2通。
ラジオでお話ししましたので聞いてください。
1月18日第239回『再び成人式のこと』
note.com
1月30日第251回『またまたビバークのことのお便り
note.com
やっぱり、10年20年たって人生に影響を及ぼすプログラムなのだということを確信しました。

では、今、このビバークというプログラムをどのように変化させたらいいのでしょうか。
20年前と全く同じというわけにはいかないでしょう。現代の対象者に対して、どのように実施したらいいのか、考えていかなくてはいけないと思っています。
たとえば、テント…
山の中で、一人で過ごすためのテントです。
以前はブルーシートとロープを持たせて、自分で工夫してテントにさせていました。
これからは、小さなテントを持たせるのもいいかもしれません。初めから立てておくとか。
たとえば、食事…
食事は当初、ほとんど持たせませんでした。
その後、ある程度持たせるようになりました。
これからは、一日に1回から2回温かいものを配布するというのもいいかもしれないと思っています。
それは、目的をより達成するための方法を考えるとき、現代の人々の能力に合わせていかないといけないからです。
便利な社会で生きる人たちには耐えられない、ただただ我慢をするビバークにしてはいけないからです。
一昨年ぐらいに、36チャレンジという新しいプログラムを実験しました。その中で、ビバークを短縮した、サイレントタイムというものを入れましたが、これはビバークに戻した方がいいと、今は思っています。
まだまだ、このようなプログラムの研究開発はしていかないといけません。
志ある若者は、ぜひ一緒に考えましょう、我こそはと思う方は手を挙げてきてください。

2021年1月05日記
桜井義維英



コメント

No.1   笹川 陽介

高校3年生を対象に、一晩で完結するプログラムを考え、それについて直接高校生の反応を聞く機会がありました。
・山の中でひとり
・暗闇でひとり
・スマホを持たない
女の子ですが、上記のようなことが恐怖心となっているようでした。
言葉で表現するなら「ありえない…」ということなのだと思います。
こちらにしてみたら、一晩では足りないのではないか…とも思えるのですが、かなり感覚のズレがあるのだと感じました。
おっしゃる通り、チャレンジレベルを変えた方法の模索が必要だと感じます。
ブルーシートorソロテント、食事ありorなしなど、いくつかの選択肢を用意して、自分で選ぶ方法もあるかもしれません。

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