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コラム『カシオペイア』(アーカイブ)

コラム『カシオペイア』(アーカイブ)第38号
新しい日本のキャンプ
桜井義維英

2021.1.14

私たちが、実施しているキャンプのこと考えてみましょう。なぜ、8人や10人のグループでキャンプをするのでしょう。
欧米から導入されたシステムですよね。
ボーイスカウトも、OBSも、戦争に起因して出来上がってきたものです。
そして、その戦争を根っこに持つ活動が、アメリカで西部開拓精神を忘れないための活動、多民族の人間関係をより円滑にするための活動として、発展します。
私はそう考えています。
そうやって発展してきた自然の中での体験活動を日本は受け入れてきました。

では、今の日本のことを少し考えてみましょう。
学校のキャンプも、ボーイスカウトも、子ども会も、ほとんどがこの欧米のシステムをそのまま取り入れています。
しかし、今の日本で、キャンプに求められているものは何でしょうか?
いや、教育関係者が提供しようとしているのは、どのようなことでしょうか?
1、やはり、よりよい人間関係を築くことができるようにする、ということでしょう。
2、また、農林漁業という日本の自然環境を理解し、ともに生きる道を考える力をつけること。
3、もうひとつは、子どもたちの生活の仕方を、大人の私たちとともに、地球環境の持続可能な形に変容させることを考え実行する力をつけることでしょう。
このように整理すると、戦後に欧米から導入されたキャンプのそれとは、まったく違ったステージに入っているといっていいと思うのです。

この3つを裏付けるのが、
1、パソコンやスマホの所有率が高くなり、人と直接的な関係をもたなくても、オンラインで大抵のことができてしまう世の中になってきています。
2、日本の食料自給率が40%を切っているということ。木材自給率も、ほぼ同じで40%を切っています。
3、日本の家族の姿は、1950年代末に5人から4人に。1990年代末に4人から3人になりました。そして、それ以上に2人家庭や1人家庭がどんどん増加しています。平均世帯人数は2.5人を切りました。

さて、そんな中で、私たちはどんなキャンプを、自然体験活動を、提供していけばいいのでしょうか。どうやって作っていかなくてはいけないのでしょうか?
このコロナ禍だからこそ、コロナ終息後を見据えて考えなくてはいけないのです。しかし、このコロナ禍で、そんなことを考える余裕がないというのも本音でしょう。
しかし、だからこそ今、もう一歩踏みとどまって、みんなで次の時代を作っていかなくてはいけないのではないでしょうか。
来年度も、モモの部屋を続けます。ぜひ、モモの部屋でそんな議論をしていきましょう。

2020年12月2日記
桜井義維英


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