コラム『カシオペイア』(アーカイブ)第60号
農林漁業体験
桜井 義維英
2021.6.23
田植え稲刈りから、泥んこ ハタケ仕事➨プランター菜園と、田植え稲刈り あぜ道マラソン
田植えや稲刈りというプログラムがありますね。
なぜ、田植えや稲刈りというプログラムをするのでしょう。
それは、農業のことを知るためとか、自然のことを知るという目的でしょうか。
中には友達との協力とか、お父さんお母さんとの楽しい思い出作りなどというのもあるかもしれませんね。
プログラムとして行っている田植えは、今では、ほぼ全てと言ってもいいほど、田植えの前にどこんこ遊びをしたりしているようですね。
40年ほど前、某農機具会社のイベントで田植え稲刈りをしたときに、子どもたちが苗をきちんと土の中に押し込まず、苗がみんな流れてしまい、結局翌日機械で植えに行ったことがありました。
そんな経験から、田植えの前に泥んこ遊びをするようにしました。
土を「汚い」と思わなくするためです。
効果はてきめん。翌年は見事に苗を植えてくれました。
さて、今、泥遊びしている方々はそういったことを考えてされているでしょうか?
でも、どうして、田植えと稲刈りなのでしょうか。
ダイコンやニンジン、ネギやタマネギなんかを作ってもいいのではないでしょうか。
田植えが終わって、子どもたちに、苗をひとつかみ家に持ち帰らせてあげたことがあります。
しかし、結果は惨憺たるもので、稲穂が付くかつかないかの時に、みんな一気に雀についばまれてしまったようです。
参加した子どもたちで、稲穂が付いたのはたったのひとり。あとは全滅でした。
都会では、スズメの餌としては格好の的になってしたのでしょうね。
根菜類を都会のベランダでバケツ稲のように作ることができたら、雀に狙われることもないですよね。
我が家のベランダで、今、ジャガイモの試験をしています。ついでにダイコンとニンジンもしています。これで、カレーはばっちり⁉
田植えの話に戻しましょう。
ある時、幼稚園の子どもたちが広い田んぼで田植えをしていました。
お母さんたちが、田んぼの畔から、「○○ちゃん頑張って~!」とカメラを構えます。
おいおい、そんなことを言うならあんたたちも田んぼに入って子どもと一緒に植えなさいよと言いたくなってしまいました。
半泣きの子どももいます。
これでは、この田植えを経験して、農業や田んぼを嫌いになってしまう子どもを養成していることになってしまうのではないかと思うのです。
もともと、幼稚園年齢の子どもは田植えなど昔からしませんでした。
田植えの時は、せいぜいあぜ道から、苗を投げ込むぐらいです。あとは、周りで花を摘んだり、カエルを捕まえたりして遊んでいたのではないでしょうか。
また、手で植えるということも大切ですが、これはあくまで体験であり、中学生や高校生ぐらいなら、田植え機に乗せてあげる方が、リアルな体験になるのではないでしょうか。
圃場整備をして、田んぼが大きくなり機械化を進めようとしている今、そんな田んぼで手植えすること自体がちょっと自然でないと思うのです。
形がいびつな棚田などなら、自然な活動だと思いますが。
そのようなことをきちんと考えて、自然な体験を子どもたちに提供しなくてはいけないと思うのです。
林業体験や漁業体験も、あまりバラエティーに富んだものがあるとは言えないのが現実ではないでしょうか。
グリーンウッドワークという欧米発祥の木工も普及してきています。いいとは思います。
しかし、日本の農林漁業を、真剣に、目的に合わせたプログラムを作ることを考えないといけないのではないでしょうか。
ほぼ、このプログラム化はできていないというのが現実のように思います。
今、私たちは、農林漁業従事者と、
環境のことを考える漁業体験、農業体験とか、
仲間作りのための農業体験、林業体験とか、
農業を知るための農業体験とか
目的に合わせた、一次産業のプログラム化を考えたいと思います。
インターネットラジオのゲストで、国際自然大学校の実習所のOBと話すようになり、農業などに従事している人が、結構いることに気が付きました。
こんな人たちと、研究したら、面白いのではないかと感じています。
少し視点を変えて、考えてもいいでしょう。
以前、一杯のかけそばというお話が流行った時、『一杯の天ぷらそばプロジェクト』というのを考えました。完成できてはいないのですが…
それは、どんぶりから、出汁から、てんぷらの油から、もちろんそばも、てんぷらの種や粉もみんな、日本中を回って体験しながら集めてこよう。そして最後に、みんなで一杯の天ぷらそばを作って食べようというものです。
このように、広く浅くといった感じの体験でもいいのかもしれないと思うのです。
どこかで、一杯のカレーを作ろう!ということはしていると話を聞いたことがあります。
ジャガイモやニンジンを作ろうということのようでした。
そんなことでもいいと思うのです。
いかがでしょう。我こそは!と思わん方は、プログラム開発に乗り出しませんか?
No.1 ロッキー
先日、田植えをしました。大きさは一反です。
主にようちえんの仲間に声をかけて、結局大人子ども合わせて60名を超えました。イベントでも、プログラムでもなくて、一緒に米を作って行く人〜、できた米は作業した度合いで分配しまーす、としました。
3年前から一緒に米作りをするおじさんパートナーがいます。
持続可能な米作り、地球に優しい米作りの研究実践がテーマです。僕は人の歩く速度が好きなことから、できるだけ機械を使わないように、でも楽をしたいのです。完全無農薬、少し有機栽培です。そうすると、やっぱり人海戦術なのです。だから仲間を募りました。
田植え後は、3回田の中の除草作業をしました。でも、ここにはあんまり人が集まらず。やると楽しいんですけどね。息子は八反転がしにハマりました。でも、人が来ないということにこだわらず、淡々とやっています。田植えの前に種まきを一緒にしてくれる仲間もいました。
今回の田植え、僕は田植えがすぐに終われば最高!という気持ちでした。来た人は、子どものための経験、大人自身の体験、奥さんに連れて来られた、、、いろいろだったと思います。子どもたちはとにかく遊びまくり、苗を一本も植えない子もたくさんいました。
いろいろでいいよなぁ〜としみじみ思いました。
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