コラム『カシオペイア』(アーカイブ)第33号
自然体験で新しい社員研修を考える
桜井義維英
2020.12.7
ここで、企業の新入社員研修をしたらいいかな~と、思うような研修宿泊施設がありました。
ずっとそんなことを何となく思っていたのですが、意を決して調べてみました。
するとどうでしょう。すでに、某団体がその施設を研修のためのホームゲレンデにしていて、施設ともタイアップしていたのでした。
それも、プロジェクトアドベンチャーをベースにした研修なのでした。
我ながら、日本にこんな体験活動が普及してきたんだな~と、少し驚くと同時に、もう、私の出る幕ではなくなってきたなとも思いました。
その団体は、はじめてみる団体でした。
もう私が知らないところで、どんどんこんな風に自然体験が広がりを見せていることに、感慨もひとしおでした。
しかし、ふと思ったことがありました。
社員研修にこのような自然体験を活用した研修が広がるのはとてもいいことだと思います。
きっと、離職率も下がるのではないかと思いますが…本当に無理せず生き生きと、その会社でみんなが働けるような研修ができるのでしょうか?
実は、その会社に入らないほうがいい人が、とにかく入社して、無理して頑張って働くのを応援している状況があるのではないでしょうか。
本当にあなたはこの会社で働きたいの?
こういう仕事をしたいの?
と、問う必要があるのではないでしょうか?
当然、会社は人がほしいから採ります。
新人は仕事にありつきたいから、何とかそこで頑張ろうと思います。
しかし、本当にお互いが幸せな形なのかは、正直に問う必要があるのではないでしょうか。
その正直に問うための自然体験活動もあってもいいのではないでしょうか?
意味が分からないことを言っていますか?
入社試験(ではないかもしれませんが)という研修をする中で、会社は、ほしい人材を見極め、入社希望者も、その会社に本当に入りたいかを見極めることが出来るような研修があってもいいのではないかと思ったのですが、いかがでしょう。
会社の社員と、入社希望の人材が、数日間、共に研修を受けて、お互いを知りあい、本当に就職したいか、本当にこの人材が欲しいかを考える研修をするのです。
知り合うために、自然体験の活動を利用するのです。
今までの就職活動は、ひたすら採る側に気に入ってもらおうとする就職活動でした。新しい研修は、入ってもいいなと思えるかどうかを見極め、選べる環境を作るのです。
難しい研修かもしれません。
突飛なアイデアかもしれません。
しかし、自然体験なら、そんな研修が可能かもしれないと思います。
2020年11月29日記
桜井義維英