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コラム『カシオペイア』(アーカイブ)

コラム『カシオペイア』(アーカイブ)第22号
新しい自然教室、移動教室へ その1
桜井義維英

2020.9.14

今回は、青少年教育施設での新しいキャンプのお話をしましょう。
このコロナ禍の中で、小中学校が行う、自然教室や移動教室という集団宿泊の自然体験活動は、ほぼほぼ中止になりました。
そうなると、来年度はどうなるのでしょう。
きっと先生方は相当お困りになるのでしょうね。このような行事は、大体、先年度担当だった先生から資料と情報を引き継いで、運営されてきました。そのため、資料は引き継げても、その資料は一昨年度のもので、引き継いでくれた先生は何の情報も持っていません。一昨年の担当の先生も、きっと、記憶はあいまいになっているでしょう。

そんな中で、自然教室、移動教室を実施することになるのです。
この状況、私たちにはチャンスだと思います。
今まで通りの自然教室、移動教室を伝えますか?

それよりも、より理想に近い自然教室、移動教室を学校の先生に提案してはいかがでしょうか。
そこで、日本の自然教室、移動教室の新しい姿を提案できたらと思います。
今まで、日本中の自然教室、移動教室が同じようなプログラムを展開してきました。
しかし、もっと自分の故郷を意識する、自分の故郷の産業を学ぶことができるようなプログラムをしてはいかがでしょう。
産業といっても、地方の地域の産業は主に一次産業です。そして、その一次産業は日本の自然と深い関わりを持っています。ですから、自然教室としての意味合いは十分に果たせるものだと考えるのです。

例えば、林業県ならば、小学校6年や5年の時に、中学で使う自分の机や椅子を作ってもいいのではないでしょうか?2泊3日とか、3泊4日をかけて、机や椅子を作るのです。
そして、中学の3年間、その机や椅子を使うのです。もちろん卒業したら、自宅に持って帰ります。

農業県なら、1泊2日を何回か繰り返して、季節ごとの野菜作りや米作りを体験するのもよいでしょう。
もちろん、収穫は必須でしょう。その収穫物を使って、食事をするのもよいでしょう。
米なら、精米までを体験してもよいでしょう。

漁業県は…、ちょっとまだ、どんなことをすればいいのか、よくわからないのです。
農業や林業は育てる産業です。しかし、漁業は狩猟に近いのではないかと思います。この狩猟で、教育的視点を持ちプログラム化するのは、なかなか難しい気がしています。誰かいいアイデアをください。
子どもたちが、そんな地域ごとに特色のある体験をする自然教室、移動教室を、先生方に提案できたら素敵ではないでしょうか。

2020年9月5日記
桜井義維英


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