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コラム『カシオペイア』(アーカイブ)

コラム『カシオペイア』(アーカイブ)第50号
子ども庁ができたら
小澤 潤平(NPO法人国際自然大学校)

2021.4.14

 子ども庁が創設される?そのような話が、この数日メディアで取り上げられています。降って湧いたような話ではありますが、総理大臣も口にする衆院選の目玉公約として与党は掲げていくようです。

 かつては、「政治に利用されるなんて癪だ」と感じることもありましたが、今は走林社中の政策提言プロジェクトを担当していることもあり、しっかりと運用されていくことを期待したいという気持ちがあります。では、子ども庁とはどのようなことを担っていくのか、少し調べてみるとこのようなことが書いてありました。

 「縦割り行政の打破」

これは、デジタル庁でも推進されているような、各省庁完結ではなく、省庁に横串を刺すことで、複雑さを解消し、政府の指針として統一性を持った政策ができるようにするという方針です。

 一方では、「子どもを政治利用するなんて」という批判的な声もあるようですが、手段をどのように使いこなしていくかが重要であると考えると、我々子ども達の教育に携わる民間には何ができるのかを真剣に考え、政策提言していくことは価値があることだと考えます。

 すべての子ども達に自然体験活動を提供し、子どもが子どものうちにのびのびと自然に触れる機会を確保し、豊かな人間性を獲得していくことは、21世紀型の教育としても、必要なことです。ITやデジタルがおのずと社会の中心に据えられていく時代だからこそ、自然体験活動を社会に推進していく必要性があります。

 現在文部科学省ではGIGAスクール構想が一丁目一番地として推進され、令和2年度補正予算は2292億円でしたが、体験活動の推進に関しては4,5億円でした。体験活動の推進に予算が付いたことについては、喜ばしいことではありましたが、比較するとどこに力を入れているのかは一目瞭然です。他の省庁でも子どもの体験活動に関わる予算は小さいながらもあるので、子ども庁が設置されることで政策としての価値を見直すことを期待しています。

 子ども庁の設置検討を注視しつつ、自然体験活動の業界は何を提言していくべきか、モモの部屋でも議論を進めたいと思います。皆さん、一緒に考えていきましょう。

小澤 潤平

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