コラム『カシオペイア』(アーカイブ)第31号
今、しないで、いつするの
桜井義維英
2020.11.21
このコロナ禍の中、フォーラムとか、研修会とか、たくさんの集まりがオンライン上で開催されているようです。
オンラインで、交通費もかからず、日本中の人がみんなで集えるというのは、ひとつの発見だったのではないでしょうか。
それによって、出張経費が軽減されたり、会議室等の必要性が薄れてきているようです。
会社によっては、オフィスの縮小を決行したところもあるようです。
かくいう私も、多くの会議がオンラインになり、八ヶ岳に籠っている状態です。
しかし、ここでひとつ疑問に思うことがあります。
皆さん自分のホームゲレンデで、全国の人たちと顔を合わせて会議をするのですが…会議が終わると、瞬時に毎日の活動の現場に戻ります。たった今まで、「日本の自然体験は…」なんて議論をしていても、会議が終わってパソコンのスイッチを切ったとたんに、その話はどこへやら、毎日の業務に戻り、今までと何ら変わりのない生活と活動を続けてしまうのではないでしょうか。
このコロナ禍で、色々な変化をしなくてはいけないのに、実際はその変化のタイミングが作り出せていないのではないでしょうか。これは、オンラインの弱点といってもいいのではないかと思います。
しかし、今、変化を始めないと、あっという間に沈んでいってしまうのではないでしょうか。
さだまさしの『飛梅』という歌に、「昇りつめたらあとは下るしかない」という歌詞があります。今のままいればきっと何とかなると思っても、世の中の変化の波は、日々高くなっているのです。今迄上から見下ろしていた海でも、気が付けば、波は頭上にあるのです。
社会の変化に伴って、私たちも変化し続けないといけないのです。
しかし、お金や手間をかけて、大きな変革をしようと思っても、なかなかできるものではありません。小さな変化では、やはり、時代の波に飲み込まれてしまうように思うかもしれません。だったら、無駄な変化はしなくていいよ…と思う人も多いでしょう。
しかし、たった1度上方へ方針転換するだけで、将来、その差は膨大なものになるのです。
たった1度でも方角を違えると、その1度は100メートル先では約2メートルも違う場所に立つことになるのです。
今の小さな変化が、半年先、一年先の時代の波の上に立つことが出来る変化になるのです。
このコロナ禍だからこそ、小さな勇気と、小さな行動を起こす時なのでしょう。
それも、守るのではなく、前に向かって一歩を踏み出す時なのだと思います。
みなさん、勇気を持ってください!
2020年11月4日記
桜井義維英