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未定稿小説『奥山村物語』

未定稿小説『奥山村物語』69

2021.3.25

その晩は、みんな三々五々、地元のお父さんやお母さんたちにお休みの挨拶をして、校舎の宿泊室に戻っていきます。村の人たちも軽トラで、帰っていきました。


翌日は、お別れの日です。

バスの周りは、まるで村の人総出のような人だかりになりました。

この風景を見れば、このキャンプが成功だったのは間違いありません。

福田さんは、子供たちとバスの中から村の人たちに、何度も何度も頭を下げ、手を振りました。

村長も来て、手を振ってくれました。

中には涙ぐんでいる人もいます。

福田さんもこみ上げるものがありました。

ふと見ると、集まった人たちの一番後ろで一生懸命手を振る三枝君の姿があります。

彼のその姿を見て、福田さんの気持ちは堰を切りました。

私はこの仕事をしてよかった、そしてこれからもこの仕事をしていく。三枝君を見て、あふれる涙をこぶしで拭いながら、福田さんはそう決意しました。

ふと振り返ると、谷口君と目が合いました。

谷口君の目にも涙が光っていました。しかし、彼は笑いながら大きく頷いてくれたのでした。


解散の時には、お母さんたちは、お土産の野菜に大喜びです。

こんなにたくさん…持って帰るも大変ね~といいながら、満面の笑みです。


キャンプそのものの成功はもとより、こっちの方も成功だな…と、福田さんも満面の笑みでした。


そんな満足感に浸る暇なく、翌日の朝には冒険キャンプの出発です。

集合や、出発の段取りもすっかりみんな慣れてきて、福田さんは挨拶をするだけで、後はみんな谷口君が差配してくれます。

奥山村とも連絡をとり、受け入れ態勢も、万端であることの確認ができていました。あちらはあちらで、平野君がすっかり段取りしてくれています。

福田さんはバスの中でうとうとしてしまいました。それほど谷口君に全幅の信頼を置けるようになったのでした。

福田さんは、はっと目が覚めた時、苦笑いをしてしまいました。

自分のふがいなさと、谷口君がたくましく成長してくれたことを感じての苦笑いでした。




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長い間お読みいただきありがとうございました。

尻切れトンボですがとりあえず、この号を持ちまして、一度終了させていただきます。

この次にお目にかかるのは、この奥山村物語を再構築し、読み物としてもっともっと面白く、そして、自然学校のことを世の中に知ってもらえるような読み物として、変更させていただくときかと存じます。

皆様本当にありがとうございました。