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未定稿小説『奥山村物語』

未定稿小説『奥山村物語』62

2021.2.4

光さんの家につくと、奥さんがもう晩ご飯の支度をしていました。

福田さんもきています。

光さんは、トウモロコシを荷台からおろしてコンテナに詰めています。

三枝君はなにも言わずに光さんの手伝いを始めました。

福田さんはその光景を目を細めてみています。

2人も、三枝君にならって、お手伝いを始めました。

「みんなよく働くね」と、福田さんが声をかけます。

するとあかりちゃんが、「大変なんだから、福田さんも手伝うの」と福田さんに葉っぱをかけます。

すると、光さんと、三枝君が、顔を見合わせて、笑います。

「こりゃ、一本取られてな」と、福田さんも腕まくりをして手伝い始めました。

5人がかりで手伝ったおかげで、トラックの荷台のトウモロコシはあっという間にコンテナに移し終わりました。

そこに奥さんが、「ハイハイ、とれたてゆでたてのトウモロコシよ〜」と湯気の上がるざるを持ってきてくれました。

「うわ、美味しそう!」と、ケケが歓声をあげます。

あかりちゃんも、「いただきます!」と、手を伸ばします。

「熱いから気をつけてね」と、奥さんがニコニコしています。

「こんなご馳走を今食べたら、後の晩ごはんが食べれなくなちゃうな〜」と、福田さんが独り言を言うと、光さんが、「いいじゃないか、とれたてだ、体にもいいぞ」と福田さんにも、トウモロコシを差し出しました。

「いただきます」と福田さんも、トウモロコシにかじりついたのでした。

みんなが、光さんのうちの縁側に腰掛けてトウモロコシを食べます。

空は、夕焼けで真っ赤に染まり始めていました。

「きれい」と、あかりちゃんがつぶやきます。

「ほんと、きれい」とケケ。

「確かにな・・・」と、光さん

「この子たちがきてくれたおかげで、この風景が素敵だと、再認識しましたね」福田さんが光さんにいいます。

「本当だ、いつもなら当たり前で過ごしちゃうでな。」

「本当に綺麗だわ」と、奥さんが改めていいました。

福田さんはこの風景を、子ども達や、光さんや奥さんや三枝君たちまで含めた風景を大切にしたいと感じていました。

そう思いつつも、「さあ、ボチボチお暇の時間です。2人とも学校に帰りますよ。」

「は〜い」と、2人は渋々腰をあげます。

「そして光さん夫妻の方に向くと「ごちそうさまでした」と言って、福田さんの後について、歩き出しました。

「僕もうちに帰ります」と三枝君も立ち上がりました。

「おう、すまんかったな、助かった。省三さんにもよろしく言っとくれ」

「はい、わかりました」と、背中で答えると、自転車に跨り走り去りました。

「ひろしは日に日にたくましくなっていくな」

「ええ、本当に、将来が楽しみですね」

光さんご夫婦は三枝君の後ろ姿に目を細めました。