未定稿小説『奥山村物語』51
2020.11.11
Aチームは農業キャンプです。
3泊4日中、中1泊は昨年の体験をバージョンアップして、地域のお宅に民泊させてもらうことになっています。
夏野菜の収穫や、苗の植え付けがふんだんに盛り込まれています。
キャンプの名前は一応ファーマーズキャンプとしています。
一通り説明して、福田さんの顔をみんなが覗き込みます。
福田さんは、説明用に配られた資料をじっと見つめています。
一呼吸間を置いて、福田さんが口を開きました。
「いいと思います。」
みんなが、ホッとした顔をしています。
「しかし、もう少し考えて欲しいところがあります。」
「野菜の収穫をすると、相当の量になると思うのです。かついで帰るのでは少し、大変ではないでしょうか? 宅急便で、お宅に送るということを検討してもらえませんか?」
「それは、全く問題ないですね。」と、Aチームのリーダーをしている落合君が、安心したように答えます。
「それと、もうひとつあるのですが・・・その後の通信販売の仕組みも、同時に検討してもらえないでしょうか?」
落合君は言葉に詰まって、平野君に救いの視線を投ます。
平野君はその視線を受け止めて、
「それは、私の方で検討しています。夏だけではないことでしょうし、発送の問題や、お金のやり取りの方法も考えないと行けませんので・・・」
「なるほど、そうですね、では、キャンプの中には位置付けないで、自然学校のとして取り組むと言うことで、平野君にお願いしましょう。」
「はい、わかりました。次回のミーティングまでに少し整えておきます。」
福田さんは、平野君はすでに何か腹案があるなと睨みました。
そちらがひと段落して、Bチームが、プレゼンテーションをします。
こちらは、スタッフのトレーニングの時に行った、棒を倒してハイキングするプログラムを膨らませて、「ぼうけんキャンプ」と名付けていました。
リーダーの沼尻さんが説明を進めていきます。
棒を倒してハイキングをして、途中1泊すると言うものでした。
泊まる場所が特定できないだけに、下見を大変丁寧にしていました。キャンプができる場所を色々と調査してありました。
また、棒を倒す時のルールも少し追加してありました。
【交差点で倒しますが、一度通った道へはいけない】と言うことでした。
聞いて見ると、こうすることで、堂々巡りがなくなり、どんどん遠くへ歩いていくことになるのでした。
運のいいことに、奥山村の集落から出て行く道は数本しかありません。そのおかげで、泊まる場所を予想しやすくしてくれていました。