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未定稿小説『奥山村物語』

未定稿小説『奥山村物語』54

2020.12.4

反省会でも、その通信販売のことが話題にのぼりました。

チラシにもっと大きく、通信販売のことを書けば良かったかな…と言う声もありましたが、福田さんは、「まあ、保護者の物欲で、子供のキャンプが決まるよりも、今回の方がいいでしょう。」と笑いました。

その上で、「しかし、通信販売は、十分な手応えが感じられました。来年度からは本格的に考えて行きましょう。」と、真剣な眼差しに戻りました。

その話題に付け加えるように、大山君が、「僕の班のあかりちゃんが、すごい張り切っています。畑仕事を頑張って、収穫前にも、自分で畑の面倒を見に行くんだといっているのですが、それはOKなのでしょうか?」と、不安気に話しました。

福田さんが、「すまない、みんなにもこれは言っておかなかったことで、報告をしなくちゃいけないね。あかりちゃんのお母さんからも、その話が私にあってね、もちろん了解しました。宿泊を希望するならば、それもこちらで相談に乗ることにしました。平野君や谷口君には、またひとつ手間をかけることになりますが、よろしくお願いします。」

2人は、微笑んで頷きました。


そして、反省会も無事に終了しようとした時、片隅に待ち構えていた、アウトドアショップの社長さんが福田さんを見て立ち上がりました。

「そうそ、今日はもうひとつ、いい知らせがあるんだ。こちらは、子供たちのキャンプ用品を販売していただいている【ゴーキャンプ】の社長さんの鈴木さんです。そして、今日は鈴木さんから皆さんにお知らせがあります。では鈴木さん、よろしくお願いします。」

「皆さん、ゴーキャンプの鈴木です。いつもありがとうございます。おかげさまで、皆さんのキャンプに参加するお子さんを始めとした方々が、当店でお買い物をしていただき、大変ありがたく存じます。正直申しますと、想像以上の売り上げで、喜んでいます。そこで、お礼と言ってはなんなんですが、この夏のキャンプで、皆さんに着ていただけるよう、当店で、Tシャツを作って、プレゼントさせていただこうと考えました。」

その途端、みんな拍手喝采です。

鈴木さんがサンプルとして、持ってきてくれたTシャツには、なんと、胸にキャンプの絵が描かれていて、左胸にOCNS STAFFと入っています。そして、背中の襟のところには日本語で、奥山村こども自然学校と入っているのでした。

みんなもう大興奮です。各サイズのサンプルをそれぞれ合わせて、サイズどりをする間、福田さんは鈴木さんに、お礼を言っていました。

すると、鈴木さんは、「いえいえ、ちゃんと商売させていただきますから大丈夫です。このTシャツも、参加者の方に販売させていただいてもよろしいですよね?スタッフと言うのを抜いたものを作ろうと考えています」

「なるほど、鈴木さん、商売人ですね。もちろん喜んで、お願いします。」

隣で話を聞いていた谷口君が「ロゴマークがあれば良かったですね。」と言います。

「そうだね、何かキャラクターみたいなものがあればいいかもしれないね。誰かそんな絵を描くのが得意な人はいないかな?」

「後でみんなに聞いてみます。」

「そうしてくれ」

そして、その興奮覚めやらぬまま反省会は終了し、いつものように打ち上げに向かったのでした。