日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅴ 研究提言

「理論×実践」、より良い社会を目指すために必要であるキーワードであると認識しながらも、未だその融合がなされていないように感じています。「社会に役立つ研究」を問い続けながら、「理論×実践」の融合を体現できるよう進めていきます。

2022年度の動きについて

2022.5.31

 始動2年目、研究提言プロジェクト5月のブログとなります。4月号では、今年度の動きとして、①コミュニケーションを取る事、②連携PJの発展、という2つの事を取り組むという話をしておりましたが、②連携PJの発展について少し動き(内容)が変わりそうです。以前のブログでは引き続き、ウェア、ギアに関する調査を実施する方向でお伝えしていましたが、「自然学校と企業との連携PJ」チーフの原田さんとも相談し、一旦ウェア、ギアの調査について今年度は一旦凍結としたいと思います。もちろん何か問題があったわけではなく、この後にも記載しますが、別のテーマにて進めていくこととなったためです。これから同志が増え、マンパワーが増えていくことによって、あらためてウェア、ギアの調査についても着手していきたいと思います。

 さて、それでは今年度どのようなテーマに着手していくかというと、「貧困」です。現在、原田さんが事務局を担うJapan Outdoor Network(通称JON)では、2021年度より「SPS事業」、一人親家庭に対する自然体験活動の支援を行っています。原田さんと連携PJのミーティング内でSPS事業について話す中で、この事業が野外業界や現代社会に、より広く認知され、多くの貧困家庭に届けられる必要があると共感しました。そして、より発展的に事業が広まっていくために必要なものとして、その事業における効果測定などの「研究」「エビデンス」の重要性を強く感じました。研究提言PJとして、テーマをコロコロと変えるのは良くない事であるとわかっていながらも、より急務に取り組むべき課題として、今回連携PJのテーマの変更へと至りました。
SPS事業の詳細については、「自然学校と企業との連携PJ」のブログをご参照ください

「SPS~ひとり親家庭支援事業~について-実情」2021.10.14
https://soulin2017.net/blog4?id=10553301
「SPS~ひとり親家庭支援事業~について-仕組み作り」2021.11.8
https://soulin2017.net/blog4?id=10589211
「SPS~ひとり親家庭支援事業~について-報告会とプレスリリース」
soulin2017.net


連携PJにおけるミーティングを行い、昨年度実施したSPS事業における課題と可能性について要約すると以下のようになりました。
①参加者に対する支援
・どう関われるか
→貧困に関する勉強・研修が必要(貧困、一人親に対する理解、対応方法、リーチさせる方法)
・キャンプ参加に関わるサポート(送迎、必要装備、必要なスキルなど)
・金銭的援助の方法


②運営・実施者に対する支援
・参加者にどうリーチさせるか
・受け入れ団体を増やすには
・運営する側のエネルギー(マンパワー)の確保
・運営に関わるトラブルの解消方法の検討(レンタル装備の転売、当日キャンセル)
・参加者や保護者への対応方法に関する知識・技術(→勉強会とリンク)
・受け入れ団体をJON以外の団体にまで範囲を広げるか


③持続可能な事業とするための支援
・スポンサー企業、応援団体の獲得
・寄付システムの構築
・業界&社会的認知の向上

 上記の内容からも、様々な課題が残されていることはわかると思いますが、一つ一つクリアしていくしかありません。その中で、今年度については連携PJとして、「参加者の効果測定」についてアプローチしていきたいと考えています。この事業の有用性や価値をエビデンスを持って広報していくことによって、スポンサーの確保や行政への働きかけなどに役立つと考えたためです。まだまだ検討段階で、今後研究チームを作って検討していく予定です。進捗については、随時皆さんにも共有していきます。もしご興味やご協力頂けるという方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒にアプローチしていきましょう。