日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅴ 研究提言

「理論×実践」、より良い社会を目指すために必要であるキーワードであると認識しながらも、未だその融合がなされていないように感じています。「社会に役立つ研究」を問い続けながら、「理論×実践」の融合を体現できるよう進めていきます。

「野外教育学会自主企画シンポジウムについて」

2021.10.22

 研究提言プロジェクト第7回目のブログになります。前回は「連携PJの経過報告」を挙げました。その後、キャンプ事業に参加する児童の保護者、リーダーが、キャンプで扱うウェアやギアについて、どのようなニーズや困りごとをもっているのか、分析を進めています。今後ご期待ください。

 さて、今回タイムリーなお話です!
 11月6日(土)、7日(日)とオンラインで第24回野外教育学会が開催されます。そこで、6日9:00-11:30の「自主企画シンポジウム」にて、走林社中幹事メンバーでシンポジウムを実施することとなりました。テーマは、「実践と研究の融合を目指して~現場はこんな研究を求めています~」です。野外教育学会と聞いて、なかなかピンとこない人もいるかもしれないのですが、「自然・人・体験」の3つのキーワードを柱とする、学術団体です。会員の多くは大学教員や学生ですが、今後ぜひ民間の方々にも興味をもって頂きたい学会です。
学会の詳細は、第5回目のブログまたはこちらHPよりご覧ください。
https://joes.gr.jp/

 話を戻しますが、今回シンポジウムに登壇するのは、小澤さん、原田さん、関口さん、徳田の4名です。この研究PJが目指す「実践×理論」に向けて少しでも前進したいという気持ちから企画に至りました。下記に企画趣旨を記載します。

【企画趣旨】
「実践と研究の融合」は野外教育学会の設立当初から目指されており、これまで様々なアプローチがなされてきています。しかし、未だ発展途上であり、今後も目指し続けなければならないことは言うまでもありません。実践と研究の融合は、研究者、実践者共に必要な視点であり、互いを尊重し融合を目指し歩んでいく必要があると考えます。そのための一歩は、やはり「コミュニケーション」ではないでしょうか。互いの現状や課題を共有しながら、野外教育業界にある課題にアプローチする必要があると思います。
本シンポジウムでは、民間の自然学校職員から、自然学校の現状を始め、研究に求めることや欲しい研究データ、実践事例などをお聞きしながら、今後の研究の切り口をさまざま検討したいと思います。また、ぜひ参加者の皆さまと議論を深めながら、融合に向けた明るいビジョンを創っていきたいと思います。

 趣旨にあるように、「実践と研究の融合」は1997年に学会が設立されてから、これまで20年以上も言われ続けてきていることです。20年の間に、社会は大きく変化しており、「自然、野外、アウトドア、教育…」この業界の様々なキーワードを取り巻く環境も、その在り方や新たな可能性など、同様に変化・進化し続けています。その中で、なかなか実現できていないのが、この融合という部分ではないでしょうか。古くはイマヌエル・カント、近年ではP・Fドラッガーが言っていることで有名ですが、「理論なき実践は無謀であり、実践なき理論は虚無である」。これはまさに、どの時代においても変わることのない「真理」であり、常に実践と理論の両輪を回していかなくては発展は無いのでしょう。
 急激にその融合がなされることは難しく、時間をかけて実現していく必要がありますが、まずは互いを良く知ること、その上で尊重していくための、「コミュニケーション」を今回のシンポジウムでは大切にしたいと思っています。

 シンポジウム内では、自然学校の現状や近年の動きをはじめ、研究者へ求めることなど、ざっくばらんに情報共有をしながら、実践×理論の「これから」について少しでも前向きなビジョンを持てるような時間にしたいと思っています。

ご興味があれば、ぜひ第24回野外教育学会へお申し込みください!
24th-meiji.joes.gr.jp