日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅴ 研究提言

「理論×実践」、より良い社会を目指すために必要であるキーワードであると認識しながらも、未だその融合がなされていないように感じています。「社会に役立つ研究」を問い続けながら、「理論×実践」の融合を体現できるよう進めていきます。

2022連携PJの経過①「SPS研究始動!」

2022.7.31

 研究提言PJ7月のブログです。7月前に梅雨明けした後、結局「戻り梅雨」なのか、不安定な天気が続きましたね。しかし、7月末になり、夏本番の様相を呈してきました。暑さも身に沁みながら、新型コロナウイルス感染症も再び拡大してきましたので、体調にはくれぐれもお気をつけください。
 さて、5月号で紹介しましたが、今年度研究提言プロジェクトは、「自然学校と企業との連携PJ」と連携して、「SPS(ひとり親家庭支援)事業の持続可能な運営、社会的普及」を目的に、調査・研究を進める事となりました。まず、調査・研究を行うにあたって、「研究計画」を立案していきますが、私自身「ひとり親家庭」や「貧困」などに対して勉強不足であり、私と原田さんだけでは研究を進めるには困難であると考え、一緒に研究を進めて頂ける共同研究者を募りました。その結果、2名の先生方にご参画頂けることになりました。
 一人目が、明治大学の吉松梓先生です。吉松先生は、これまで不登校や発達障がいの児童・生徒を対象とした自然体験活動の実践研究において、定量的・定性的手法の両面から自己肯定意識や社会適応等への効果やプロセスを明らかにしています。
 二人目が、筑波技術大学の向後佑香先生です。これまで「野外教育に関する研究」、「障がい者スポーツに関する研究」に取り組んできています。高等教育における体育・スポーツ科目のカリキュラムを検討する研究や、大学生に対するアウトドアスポーツの具体的な指導法を検討する研究などを主に行っていらっしゃいます。
 お二人が共同研究者として参画頂けることとなり、とても心強く感じています。また、こういった民間団体の動きに、大学教員(研究者)がコラボレーションして動いていく形ができたことは、研究提言PJが目指している「実践と研究の融合」を体現していくものでもあり、ぜひ良い成果を示していきたいと思います。
 連携PJに関わる、原田さん、吉松先生、向後先生と共に、今期のSPS事業で調査を実施することを定め、研究計画を立案していきました。同時に、研究を進めるにも様々な資金が必要となってくるので、本研究に関して「マツダ財団研究助成」に申請することとなりました。取り組みを始めてから研究助成への申請締め切りが近かったこともあり、急ピッチで作業を進め、何とか申請を行うことができました。申請内容をまとめていくこと自体が、今期の調査内容を固めていくことと繋がったため、結果として非常に効率的な動きとなりました。

今後動いていく「研究概要」は以下の通りです。

本研究は、貧困を原因とする体験格差や教育格差の解決に向けたアプローチを行うため、一般社団法人日本アウトドアネットワークが実施している「ひとり親家庭支援事業」を取り上げ、ひとり親家庭を対象とした自然体験活動の効果を参加者および保護者の両面から明らかにする。また、事業運営者や参加家庭・不参加家庭の保護者へ支援事業に関する実態・ニーズ調査を行い、参加する障壁となる課題を明らかにするとともに、その解決策を検討する。

上記研究については、次号に詳細を記載したいと思います。

あらためて、一緒に研究頂ける大学教員が増えたことをとても心強く、嬉しく思っています。まだまだ小さな事例ですが、しっかりと成果を残し、良いロールモデルとなれるように研究を進めていきたいと思います!