CONE20周年記念事業分科会、野外教育学会第24回大会のご報告
2021.11.29
研究提言プロジェクト第8回目のブログになります。前回は「野外教育学会自主企画シンポジウムについて」をあげましたが、11月2日(火)にはCONE20周年記念事業分科会(以下分科会)、11月6日(土)には野外教育学会第24回大会自主企画シンポジウム(以下自主企画)を担当しました。なんとテーマはどちらも「実践と研究の融合」。分科会という実践現場の方々が多く集まる機会、学会という研究者が多く集まる機会にて、どうしたら融合していけるのかを話したり、議論したりするとても刺激的で貴重な1週間でした。
分科会では、民間の自然学校を始め、今のアウトドア業界にて最前線で立つアウトドアインストラクターの皆さんが多く参加されることを想定し、「研究者」の声をできる限り現場に届けたいと思い、福富優先生(至学館大学短期大学部)、佐藤冬果先生(東京家政学院大学)の2名も共に担当者としてご登壇頂き、①研究ってなに、②自己紹介&自身の研究紹介(量的研究、質的研究、尺度開発)、③コミュニケーションTime、④近年の注目研究(マーケティング、安全管理、海外研究)といった内容にて進めました。その中で、民間の方々の実践現場での、問いや疑問が研究の種になることを再認識し、まさにこの分科会でいただく疑問や、こんな研究がほしいというようなコメントは、私たち研究者にとって斬新なものでした。
一方、自主企画では研究者が多く集まることを想定して、「実践者」の声をできる限り届けたいと思い、小澤順平さん(走林社中幹事長)、関口千尋さん(国際自然大学校)、原田順一さん(湘南自然学校)の3名にご登壇頂き、①自然学校ってなに、②自然学校の最新動向、③管理部から見た研究の可能性、④コミュニケーションTimeといった内容にて進めました。こちらも、分科会同様に研究者たちが今の自然学校の現状や、欲しい研究について意見を聞く中で、とても参考になっている様子でした。
両方の機会を通して感じたことは、やはり「コミュニケーション」を取る機会が必要であるということです。コミュニケーションを取る中で、自分たちがどのような活動をしていて、どのような想いを持っていて、どのような未来を描いているのかを知り、議論し、そのプロセスの中で互いをより深く知り、尊重し合えるような関係性づくりが必要であると思います。
最後に、共に分科会を担当した佐藤先生がおっしゃられていたことですが、『「研究者」、「実践者」というような枠組みができていること自体、少し違和感がある。そのような枠組みがあること自体が融合を遠ざけているような気がする。』。たしかにその通りであると思いました。本当はその枠組みすら必要なくなり、実践と研究とが融合した人材であることが当たり前になっていく、当たり前である感覚を持った人材を育てていく、理想とする未来はそうなのかもしれません。分科会、自主企画を通して、あらためて互いにコミュニケーションを取る大切さを感じ、実践と理論の融合への想いを強くしました。