日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅴ 研究提言

「理論×実践」、より良い社会を目指すために必要であるキーワードであると認識しながらも、未だその融合がなされていないように感じています。「社会に役立つ研究」を問い続けながら、「理論×実践」の融合を体現できるよう進めていきます。

現場と連携した研究

2022.6.6

 研究提言PJ6月のブログになります。あっという間に2022年度も2カ月が経ちました。もうすぐ梅雨のシーズンになり、あっという間に熱い夏がやってきますね~。様々な事に追われる中で気づいたら1年が経っていたなんて思う事もしばしばかと思いますが、時には顔を上げて辺りを見回したり、クリエイティブに物事を考えたり、「ふっ」と息を抜きながら過ごしていきたいなぁと思います。まずは梅雨シーズンも日々を楽しんでいきたいと思います!
さて、5月のブログにて挙げた「SPS事業」における研究については、現在研究計画を立案中です。7月にも事業がスタートしますので、そちらに合わせて計画を立てたいと思います。今月は、今年度の立てている目標の一つである「現場とのコミュニケーション」について話したいと思います。現在いくつか研究を走らせていますが、その一つに岡山県新庄村を会場に行われる、トレイルランニング大会「FORESTRAILE SHINJO-HIRUZEN」における研究があります(といっても今年度動き始めます)。
 FORESTRAILEは、人口1,000人未満の小さな村で開催される西日本最長クラスのトレイルランレースであり、美しいブナの林と大山・蒜山の雄大な景色の中を走り、お迎えする村民も楽しめるようレースを通して感動を共有できる大会を目指し2017年から実施されています。しかしながら、ここ3年は台風や新型コロナウイルス感染症の影響にて実施できていない状況であり、ようやく今年度開催の目途が立ち動いています。
https://www.forestrail.com/
 今日では、昨今のアウトドアブームも相まって、様々なアウトドアスポーツのイベントが全国各地で開催されるようになりました。それに伴って、市場規模も大きくなっています。世界に誇る日本の自然資源を活用したアウトドアレジャーやスポーツが発展し、より多くの人々がその恩恵(健康やQOLの向上など)を受けることはとても良い事ですし、これからも発展を続けるべきであると思います。一方で、そのような中で懸念されるのは、「オーバーユース」による環境破壊ではないでしょうか。自然は有限ですので、商業化に走るあまり、適切な環境配慮を行わなければ、いつかアウトドアスポーツが行うことができない、ひいては日本の自然が失われてしまう可能性があります。
そのような中でFORESTRAILが目指しているのが、イベント参加による参加者の恩恵だけではなく、地域の人々が潤うこと、そして環境保護にも繋がるというものです。やればやるほど環境が豊かになっていくようなアウトドアスポーツイベントができたら素晴らしいと思いませんか。私はその考えにとても共感し、スポーツマネジメントを専門に研究をされている、岡山大学の高岡敦史先生、鹿屋体育大学の棟田雅也先生と共に共同研究を実施するような運びとなりました。
 そして先日、FORESTRAILEが開催される、新庄村、蒜山に視察に伺いました。その中で、新庄村の村人、おかやまスポーツプロモーション、おかやま観光コンベンション協会、蒜山高原センター、GREENable HIRUZEN、岡山県トレイルランニング協会、真庭市産業観光部、など多くの方々とFORESTRAILEに関するお話をしてきました。そして、トレイルランニングのコースの一部を走り、新庄村、蒜山の美しい自然に触れてきました。様々な人々の想いや現地の自然に触れることで、研究に対するモチベーションが高まり、そして研究計画を立てるにも、「どのように還元できるか」と、話した方々の顔が浮かぶようになりました。

そのような中で、研究活動において、ただ研究室の中だけで行われるのではなく、様々な現場で関係する方々とコミュニケーションを取り進められることが、とても重要なのだとあらためて強く感じました。また、それこそが「実践×研究」の実現のための一歩なのだと再認識しました。
引き続き、研究活動はもちろんですが、多くの方々とのコミュニケーションを大事にしながら、進んでいきたいと思います!