日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅴ 研究提言

「理論×実践」、より良い社会を目指すために必要であるキーワードであると認識しながらも、未だその融合がなされていないように感じています。「社会に役立つ研究」を問い続けながら、「理論×実践」の融合を体現できるよう進めていきます。

夏季調査の進捗報告「調査の内容って?①」

2023.9.30

野外教育を専門とする大学教員にとっては怒涛の実習&キャンプシーズンかと思います。
私も2週間ほど徳島県阿南市に缶詰め状態でした…。
ただ、研究活動だけではなく、実習を通して学生たちと親密になり、彼らの成長を目の当たりにできる教育活動にも非常にやりがいを感じると同時に、日々のエネルギーとなりますね。
今後も、研究、教育、社会貢献、この3つを心がけたいなぁと思います。

さて、引き続きSPS研究プロジェクトにおける調査を行っています。

今月のブログでは、現在調査を実施している内容(尺度・ものさし)についてご紹介したいと思います。
現在、SPS事業に子どもを参加させている保護者および、参加者に調査を実施しています。
まず今回は保護者に行っている調査内容についてお伝えしたいと思います。

子どもを参加させている保護者への調査内容を検討するにあたって、子どもがキャンプに参加することは、母親が社会的な資源(キャンプというサービスや指導者など)を認知する機会になり、一時的な育児負担の軽減や貴重な自分の時間の確保につながるのではないかと考えました。
そのような前提を踏まえ、共同研究者間で検討し以下の尺度を採用しました。

「子育てレジリエンス」尾野ら1)作成
定義:「子育てに柔軟に適応する力」
この尺度は、1)ソーシャルサポート、2)ペアレンタル・スキル、3)母としての肯定感、の3因子構造となっていて、内容は、周囲の人から子どもに対しての評価や理解を得るなどのサポートに関わる「ソーシャルサポート」因子4項目、子育てに柔軟に、楽観的に対応する能力や家事を効率的にこなす能力である「ペアレンタル・スキル」因子4項目、そして母親としての自分と子どもを肯定的に受け入れる「母としての肯定感」因子4項目が設定されています。

【ペアレンタル・スキル】
子どもに対して柔軟に対応することができる
子育てをするのに腹がすわっている
子どもに大変なことが起きても楽観的に捉えることができる
何があってもいつものように家事をこなすことができる

【ソーシャルサポート】
子どもの悩みを話せる人が家族以外にいる
子どもに関する情報をくれる人がいる
家族以外にわが子のことを気にかけてくれる人がいる
母(父)として頑張っている自分を理解してくれる人がいる

【母としての肯定感】
子どもは私にとってかけがえのない存在だ
子どもをかわいいと思える
子どもを授かったことに感謝している
お母さん・お父さんと呼ばれることがうれしい

これまでの研究の中で、子育てレジリエンスを高めることで、母親の育児ストレスの軽減と精神的健康度の改善に関連していることが明らかになっています1)

今回の調査にて、子育てレジリエンスがどのように変容するのか、結果を見るのが非常に楽しみです。

今お読みの皆さんの中で、こういった尺度や調査について興味のある方はぜひ気軽にご相談ください。
それでは、引き続きプロジェクト頑張っていきます!

参考文献
1) 尾野明美 (2014):母親の子育てレジリエンスに関する研究―子育てレジリエンス尺度の作成及び子育て支援プログラムの適用を通して―、桜美林大学大学院 国際学研究科 国際人文社会科学専攻 博士論文.