連携プロジェクト始動!
2021.6.25
研究提言プロジェクト第3回のブログになります。前回は「研究の一歩目」という話をしましたが、まさに一歩目を踏み出し、他のプロジェクトとの連携プロジェクトが始動しました。今回連携していくのは、「自然学校と企業との連携PJ」との連携です。「連携」という言葉が続くのでややこしいですが、ご了承ください。始動したばかりですので、これから研究計画等を入念に計画していくこととなりますが、現段階で検討している内容をご紹介したいと思います。
【自然学校と企業との連携PJ×研究PJ】
この連携プロジェクトでは、「アウトドアメーカーをはじめとする企業の自然学校への認知度向上」を目指します。
具体的に期待される成果としては、
・企業
…ブランディング(企業イメージ向上)、ギアやウェアのフィードバックによる機能性の向上→機能性向上による製品の利用者増(=利益向上)
・参加者
…活動に必要なウェア、ギアの確保、ウェア・ギアの機能性理解→アウトドアへの興味関心の向上、安全性の向上
・指導者
…活動に必要なウェア、ギアの確保、ウェア・ギアの機能性理解→指導力向上(=効果的な教育)
・自然学校業界
…ウェア・ギアの確保や機能性理解に伴うアウトドア活動への興味関心の向上、安全性の向上→アウトドアへのアクセス増(=自然体験の充実)
といった、三方よし(実際には四方よし?)を目指したいと考えています。もちろんこれは、即自的にみられる成果ではないかと思いますので、目指すビジョンとして捉えていただけると幸いです。※加藤龍氏の円形劇場を受け、視点に「地域」を追加したいと検討中です。
これを設定した背景には、民間企業は自然学校の存在は認知しつつも、業界に対する理解や関心がないという現状があります。先日2021年6月17日に開催された円形劇場でご登壇いただいた加藤龍氏によると、企業はビジネス効率を求める傾向があり、結果が見えやすい事業や対象に対して結び付くことが多いとのことで、その点から考えると、自然学校との連携には、時間をかけて取り組んでいく必要があり、連携しずらい状況であることが挙げられました。一方で、これからの時代、SDGsをはじめ環境や教育を取り巻く課題に対して企業も取り組んでいくことを求められていることから、これまでの状況とは変わっていくのではないかということでした。
2011年3月に発行された、「2010年自然学校全国調査報告書」によると、全国に3696校の自然学校がある事が示されていますが、11年経った今も大きな変動はないのではないかと思われます。では、これだけの自然学校がある中で、何人の指導者やボランティアリーダー、参加者、保護者がいるのでしょうか。相当数に及ぶものと容易に想像できますが、その人たちがアウトドア活動を行うために必要なウェア、ギア等を使用しているわけです。そうすると、ここにはまさに大きな市場があると言えるでしょう。
しかしながら、全国にはどのような自然学校団体があり、どのような指導者がいて、どのような参加者がいるのか、そして、指導者や参加者はどのようなアウトドアウェアやギアを使っているのか、必要としているのか、そういった具体的なデータ(根拠)は今のところ見当たりません。このようなデータは、企業に自然学校の新規市場を根拠づけるものとして必要不可欠であり、自然学校側としても現状を知ることは、課題の把握や今後の方向性を考える上で非常に重要なデータとなります。
そこで、研究PJとして、以下の調査を行うことを計画しています。
①自然学校の実態調査
1)自然学校で行われている活動、活動に必要な装備、備品(施設保有の装備・備品も)
2)自然学校の活動への参加者の特性(数、年齢層、男女比)
3)自然学校の指導者(職員)の特性(数、年齢層、男女比)
②自然学校への参加者、指導者のギア、ウェアの実態調査
1)参加者に必要なギア、ウェアの特性(価格、機能性、デザイン性など)
2)参加者(保護者)のニーズの把握
3)指導者(職員)に必要なギア、ウェアの特性(価格、機能性、デザイン性など)
4)指導者(職員)のニーズの把握
以上の調査については、ひとまず1団体に限定して行い、「自然学校と企業の連携」の好事例を作ることに注力する予定です。
今後さらにレビューや研究計画を進めていきたいと思います。本研究に関してアドバイスやご助言があれば、どしどし頂けたらと思います。
次回以降、より具体的な研究計画や進捗報告、調査結果等をアップしていきたいと思います!
【参考・引用】
・第3回円形劇場「アウトドアメーカーとの連携について~地域・社会への貢献を考える~」.2021.6.17加藤龍氏パーソナルコメント
・2010年自然学校全国調査報告書: 公益社団法人日本環境教育フォーラム,2011,3.