日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅴ 研究提言

「理論×実践」、より良い社会を目指すために必要であるキーワードであると認識しながらも、未だその融合がなされていないように感じています。「社会に役立つ研究」を問い続けながら、「理論×実践」の融合を体現できるよう進めていきます。

連携PJの経過報告②

2021.12.2

 研究提言第9回目のブログになります。今回は、連携プロジェクトの経過報告を行いたいと思います。
 ちょっとその前に…ちょっとうれしい出来事がありました。現在連携プロジェクトを共同で進めているゼミ生から、「大学院へ進みたい」という相談を受けました。今回の連携プロジェクトでの調査、研究から、もっと勉強したいという学習意欲が生まれたようです。こういった走林社中でのプロジェクトが、こうして次なる世代に刺激を与えられていると思うと、とてもうれしく思います。我々ももっともっとエネルギッシュに進めていかなくてはいけませんね。
 さて、本題に入る前に簡単に連携PJおさらいですが、連携PJは「アウトドアメーカーをはじめとする企業の自然学校への認知度向上」を目的としています。そのために、①自然学校の実態調査(ウェア、ギアの調査含)、②アウトドアメーカーの洗い出しをしており、それらのデータを基に、企業、自然学校、地域が連携し、それぞれが機能しあう有機的な繋がりのモデルケースを創ることを目指しています。今回は②アウトドアメーカーの洗い出しについてご紹介したいと思います。
 そもそもなぜアウトドアメーカーの洗い出しをしているのかと言うと、自然学校の実態調査にて、どんな職員がいて、どんな参加者がいて、何を使っていて、どのような課題やニーズがあるのかが明らかになった上で、それらのデータから有機的な繋がりを生んでいける企業を探すためです。今回は下記の9つのポイントを、企業HP等からまとめていきました。
① ブランド名
② 創業年(本社)
③ 創業年(日本支社)
④ 企業理念
⑤ 最初の製品
⑥ 最初の活動種類
⑦ 活動範囲
⑧ 強みである製品
⑨ 製品の特長
 例として皆さんがよく使われているであろう「パタゴニア」を見てみましょう。
① ブランド名:patagonia(パタゴニア)
② 創業年(本社):1957年(アメリカ) ※もとは「シュイナード・イクイップメント社」であり、その後1973年に「patagonia」へと改名した。
③ 創業年(日本)1989年
④ 企業理念:最高の商品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する(1989年より)。私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む(2019年に改定)
⑤ 最初の製品:ピトン、フリース(シンチラ)
⑥ 最初の活動種類:登山(アルパイン)
⑦ 活動範囲:クライミング、サーフィン、スキー、スノーボード、フライフィッシング、トレイルランニング、 マウンテンバイク
⑧ 強みである製品:ウェア全般(フリース、バギーズ、シャツ)
⑨ 製品の特長:サスティナビリティ、オーガニックコットン
 いかがでしょうか。現在54社のアウトドアに関連する企業をまとめています。上記項目をまとめていくだけでも、どのような企業なのかが何となく把握することができ、おもしろいですよね。もっとこんな視点が必要ではないか、なぜこんな項目を調べているの、などなどぜひ皆様からのご指摘を頂きたいです。
 一方で、これまでの日本キャンプ会議や野外教育学会での発表にて、企業をアウトドアメーカーに限るのはもったいないとの指摘を受けており、まさにその通りであると感じています。今後、実態調査のデータからアプローチしていく視点を広げることや、地元の企業との連携も想定して、洗い出しを実施していきたいと思います。