日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅴ 研究提言

「理論×実践」、より良い社会を目指すために必要であるキーワードであると認識しながらも、未だその融合がなされていないように感じています。「社会に役立つ研究」を問い続けながら、「理論×実践」の融合を体現できるよう進めていきます。

怒涛の2月でした。

2025.2.28

シンポジウム、LNTコース、研究視察、マツダ財団成果報告会、部活動合宿など怒涛の2月でした…(21日間、外にでていました)。
 抜粋して以下内容を取り上げたいと思います。以下、掲載いただいた内容です。
令和6年度 地域こども支援ネットワーク事業 シンポジウム
2月8日(土)、大阪府教育会館たかつガーデンにて大阪市社会福祉協議会が実施する『地域こども支援ネットワーク事業』主催のシンポジウムを開催しました。
 テーマは「体験の格差が与えるこどもたちへの影響について考える」。
こどもたちが“社会を生き抜く力”や“豊かな人間性”を育むためにはどのような経験や体験が必要であるか。また、こどもたちへのさまざまな支援、関わりを展開する上で大切にしたいことなどを、基調講演やパネルディスカッションを交え、約100人の参加者とともに考えました。
経験や体験の乏しさが
こどもたちに及ぼす影響
第一部の基調講演では、野外教育を専門とし、こどもの体験格差などを研究テーマとしている『大阪体育大学』の徳田真彦さん(以下、徳田さん)が登壇。
徳田さんは、世帯収入が300万円未満の家庭では、約3人に1人のこどもが年間を通じて学校外での体験活動を行えていない現状を紹介しました。
「こどもたちが得られる体験として、スポーツや文化・芸術・音楽活動、自然体験、社会体験など、多岐にわたるジャンルが展開されている昨今。経済的に厳しい家庭では、時間的・精神的・体力的にも余裕が持てず、さまざまな体験を諦めざるを得なかったり、交通機関を利用して移動する機会が少ないことも考えられます。こういった社会経験の乏しさが、こどもが成長した後にも継続して影響を及ぼし、言語能力や実行機能が低い傾向にあったり、家族以外の人に心を開くことが難しくなる場合もあります。また、自己肯定感や自尊感情の低下といった心理的側面にも影響を与えるケースも少なくありません」と、徳田さん。
また、自己肯定感や自尊感情の低下は、“やりたいことを諦めないといけない”“我慢しなければいけない”などの「できない経験」、「諦める経験」が大きな要因であると強調します。
体験の格差をなくし、地域全体でこどもたちの成長を支える
徳田さんは、経験や体験の機会が少ない状態を“体験の貧困”という言葉で表現しています。
「“体験の貧困”を解決するためには、家庭内のみならず、地域や多様な団体等が普段から連携を深め、幅広いネットワークを構築し、こどもたちがより多くの体験を得られる機会を提供できる仕組みが重要なんです」と、徳田さん。
さらに、こどもたちにとって、より良い体験を提供するためにも、地域での活動やその運営を担うことのできる人材の発掘・養成が必要であると話します。
そして最後に、自尊感情や自己肯定感、体力・学力が社会性にまで影響を与えることを考慮すれば、経済的状況に関わらず、全てのこどもたちが体験機会を得られる環境が今の社会には必要であり、これから解決していくべき課題であると、徳田さんは強く訴えました。
「マツダ財団成果報告会」
2年間の研究助成をいただいた、マツダ財団の成果報告会にいってきました。成果報告では、現在行っているSPS事業の研究にとても興味を持っていただき、今後マツダ財団より別途研究活動に参画いただきたいと思っているとの評価をいただきました。引き続き、吉松梓先生(明治大学)、向後佑香先生(筑波技術大学)と共に研究活動を推進していきたいと思います。