日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅴ 研究提言

「理論×実践」、より良い社会を目指すために必要であるキーワードであると認識しながらも、未だその融合がなされていないように感じています。「社会に役立つ研究」を問い続けながら、「理論×実践」の融合を体現できるよう進めていきます。

夏期調査の分析速報①

2023.11.30

 11月は温かい日もあれば寒い日もあり…徐々に冬に向かっていきますね~。
そして今月は誕生日でした。着実に年を重ねていきながら…、もういい年になったなぁとしみじみ思うこの頃です。小さい頃から〇歳ではこんな風にありたいな、などと全く考えてこなかった性分ですが、どう在りたいのかを考え、日々突き進みたいと思っています。まだまだ若輩者ですが、引き続きよろしくお願いします。
 さて、いよいよ夏期調査の分析も進んできました。研究倫理の観点からまだすべてをオープンにすることはできないですが、速報値の一部を公開できたらと思います。
 夏期調査の概要は以下の通りでした。
【参加者への調査】
 調査対象:SPS対象事業参加者(一般参加家庭の児童を含む)
       および統制群を設定し、同時期に調査を実施した。
 調査内容:自尊感情測定尺度東京都版(21項目)
 調査方法:質問紙またはデジタル版から回答
 調査回数:支援事業の事前・事後(前後1週間程度で回答を依頼) 計2回
 分析方法:2要因分散分析
【保護者への調査】
 調査対象:SPS対象事業へ子どもを参加させた保護者(一般参加家庭の保護者を含む)
 調査内容:同意書、子育てレジリエンス尺度(12項目)
 調査方法:質問紙またはデジタル版から回答
 調査回数:支援事業の事前・事後 (前後1週間程度で回答を依頼) 計2回
 分析方法:2要因分散分析

まず参加者の調査結果として、
① キャンプは参加者の自尊感情向上に効果があるか
② SPS(ひとり親家庭支援事業)の効果はあったのか
③ キャンプに参加したSPS参加者と一般参加者の差異はあるか
の3つの観点から検討した結果、以下のような結果が得られました。
※研究倫理の観点から詳細な数値を現段階ではお見せすることはできません。また、オフィシャルな結果ではありません。
課題①
・キャンプに参加することで児童の自尊感情は向上する。
・キャンプに参加する児童の自尊感情はそもそも高い。
課題②
・キャンプに参加することでひとり親家庭の子どもたちの自尊感情は向上する。
・キャンプに参加するひとり親家庭の子どもたちの自尊感情は、一般的なひとり親家庭の子どもと比べ、そもそも高い。
課題③
・両者に明確な差異は認められない※サンプルサイズが少なかった。
このような結果から、キャンプ活動が参加者の自尊感情に対してポジティブな影響があることが言えると考えています。一方で、そもそも自尊感情が高い人がキャンプに参加していると示唆される結果は、キャンプを多くの人々へリーチさせていくためにも、課題として捉える必要があるかもしれませんね。
詳細な情報をオープンにできないのは心苦しいですが、できる限り全容を公表できるよう、論文化等に取り組んでいきたいと思います!
※保護者の結果は次回にも!