日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅴ 研究提言

「理論×実践」、より良い社会を目指すために必要であるキーワードであると認識しながらも、未だその融合がなされていないように感じています。「社会に役立つ研究」を問い続けながら、「理論×実践」の融合を体現できるよう進めていきます。

「冬季就労調査」の実施。台湾のフレッシュマンキャンプに参加して。

2024.12.31

しんぐるまざあず・ふぉーらむの「冬季就労調査」に自然体験活動に関する質問項目を追加していただきました。
【自然体験に関する質問】
「Q1お子様の年代をお答えください。(複数回答)」
「Q2. この1年間、園や学校行事以外で、お子さまが体験した自然体験活動はありますか。当てはまるものがあればすべてお選びください。(複数回答)」 
「Q3. 自然体験活動への関心や参加状況についてご回答ください。」
「Q4. 上記に評価をした理由をお答えください。」 
「Q5.現在、一般社団法人日本アウトドアネットワークが取り組んでいる「ひとり親家庭支援事業(SPS事業)」を知っていますか。」
「Q6. 子どもやご自身が自然体験活動を行ったり、参加するのに障壁となっていることがあればすべてお選びください。(複数回答)」 
「Q7. 自然体験活動に参加するために、どのような支援があったら良いか、支援事業団体に望むことなどご自由にご記入ください。」
上記調査に関して、2065名からの回答をいただきました。
今後、分析を進めていきたいと思います。

一方で「実践」として、台湾体育大学のフレッシュマンキャンプに帯同をさせていただきました。
学生たちのホスピタリティ、野外知識と技術、指導力どれをとっても高いレベルにありました。
徳田の所感を掲載しておきたいと思います。
・実習の特徴について
日本の冒険的な野外実習のプログラムやスタイル(流れ)と大きくは変わらない印象を受けました。始まりに登山の安全を儀式的に行ったり、新入生に対して保護者からの手紙といったアクティビティを行うのは新鮮でした。また、野外救急法やLeave No Traceといった知識・技術について自然環境の中で学ぶスタイルは非常に効果的であると思いました。学生(院生含)主体の運営という点で、当然学生レベルの知識や技術力である部分も感じましたが、ほぼ学生主体で運営を行えていたことからも、総じてプログラム運営能力、カウンセリング能力、指導力、リスクマネジメント能力などが非常に高いと感じました。
・世界で普及している資格を持っておくこと
Wilderness First AidやLeave No Trace、Wilderness Education Associationといった資格やカリキュラム等の知識や技術があることで共通言語があるので、実習内容の理解や先生方や学生とのコミュニケーションなど、実習生活が非常に円滑に進みました。「共通言語」を持つことは、教員にとっても学生にとっても、繋がりや学びを深めるために非常に重要だと思いました。
・野外教育の価値に対する認識が高い、野外コースがある強み
 今回視察を行った台湾師範大学、台湾体育大学の2校においては、野外教育の教育力や人間性の育成に関する認識が非常に高く評価されていることを感じました(大学が協力的な印象)。そのため、ロープスコースの設置をはじめ、多様なアウトドアトリップやアクティビティに関するサポートも多くあるように思います。また、やはりコースとしてカリキュラムが組まれているのは学術的にも業界的にも非常に貢献度が高いように感じました(学生や院生の専門性や人間性が高い)。その結果なのか、院生を希望する学生や、アウトドア業界(ガイド等)へ就職を希望する学生が多くいたように思います(最終夜に来たOBもガイドで働いている方々でした)。一方で、びわこ成蹊スポーツ大学が設置した「アウトドアセンター」のような部署は無いらしく、その点では日本特有の先進的な動きかもしれません。一研究室単位ではなく、大学として受け入れる部署を作るのは大学内での認知向上や評価の向上という点でも重要かもしれません。