日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅴ 研究提言

「理論×実践」、より良い社会を目指すために必要であるキーワードであると認識しながらも、未だその融合がなされていないように感じています。「社会に役立つ研究」を問い続けながら、「理論×実践」の融合を体現できるよう進めていきます。

徳田の夏休み

2024.8.27

 多くの大学は7月下旬に前期が終了し、9月中旬頃まで夏期休暇期間に入ります。怒涛の授業期間が終わり、ホッとできるかと思いきや、案外そうではないのが「野外教育」を専門とする教員です。夏期休暇期間、大学教員がどのように過ごされているのか気になる方もいらっしゃるかと思います(そうでもないか)が、私の事例を少しご紹介したいと思います。
 大学教員に求められることは主に、教育、研究、社会貢献の3つがあります。学生が夏期休暇期間と言っても教員が休暇であるわけではないですが、日々の講義や実技が無くなることは「研究」や「社会貢献」に費やせる時間ができることは非常に嬉しい部分でもあります。
しかし、野外教育を専門とする教員は往々にして、この夏期休暇期間が「大学野外実習」や「地域のキャンプ」の時期でもあります。今夏私は3つの実習と野外活動部の合宿、2つの地域キャンプを実施しました(する予定です)。おそらくもっと多くの実習やキャンプがある教員もいらっしゃると思います。
そうすると、キャンプの準備→本番→事後作業→次のキャンプの準備→本番…と気づけば夏期休暇期間が終わっていた、ということになるわけです(ちなみにこの状況は、年末年始や春休みも同じです)。
 もちろん実践は楽しく、参加者や学生スタッフ、実習生などが野外活動を通してたくましくなっていく姿や凝集性が高まっていく姿はとても嬉しくやりがいを感じます。また、社会貢献という側面では、大学付近の地域の小学生などにキャンプ活動を提供することで、参加者への自然体験の機会となるのはもちろん地域住民との関係の深まりに繋がる部分もあり、意義深い時間であるとも感じています。
 一方で、気づけば休暇期間が終わっていることや、研究活動(論文執筆や学会参加など)がなかなか進められないことには虚無感と反省を抱く部分もあります。まだまだ野外教育の研究力は他分野に比べると劣っている部分があると感じていますが、その一端にはこういった物理的に研究に時間を割いている時間が少ない、ということもあるのではないかと思っています。そういった点で教育、研究、社会貢献のバランスをしっかりとコントロール&計画し、着実に進めていく必要性を強く感じています。
 自身の戒め、愚痴ともとられかねない内容ですが、そんな夏休みはまだまだ続きます。最後まで事故・ケガなく実践を頑張ると共に、研究活動も少しでも進めていきたいと思います。