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コラム『雑記帳』

1983年国際自然大学校設立当初より発刊していた機関誌『OUTFITTER』に寄稿していたコラムです。
現在、機関誌『OUTFITTER』は、廃刊となりましたので、WEBにて、コラムを書き続けています。
現在は月1回、1日に更新しています。

第395号 自然の中での体験活動が、日本の社会の中でどのような位置にいるかの鳥観図をつくろう

2024.3.1


この3月末で、走林社中の活動も7年めを終えます。
ずいぶんと長く活動してきました。

コロナ禍では、オンラインサロン【モモの部屋】というプロジェクトも始めました。今年ももちろん続けます。
政策提言や、企業連携、研究提言のプロジェクト。走林社中のメンバーが立ち上げた、自然と生きる人の情報誌【HAMON】という電子マガジンの発行も始めました。
というわけで、7年間頑張ってきましたが、この辺りで、初心に立ち返ってみたいと思います。

走林社中の設立当初に、自然の中での体験活動が、社会の中での立ち位置を知る活動を行いました。そこで作ったのが鳥観図です。
その活動は、まず、自然体験の課題だけでなく、社会の課題などを抽出しました。
そしてその課題を解決するには何が必要かを考え、どのような活動や、他のセクターとの連携が必要かも考えました。
その活動や、連携を図にしたのが鳥観図です。
ひとつの団体の活動にとどまらず、多くの自然の中での体験活動が振興していくには、いかにしたらいいかを図解したものとなります。

当時の参加者たちは、この鳥観図をきちんと理解し、今も、その中での自分の役割を自覚して活動してくれています。自覚して活動してくれていると、信じています。

しかしこの鳥観図は、社会の中での位置づけを考えたものです。と、すると、社会が変化すれば、鳥観図もおのずと変化していくものでしょう。
特に、走林社中7年間の半分近くはコロナ禍の中で過ごしました。
おかげさまで、オンラインでの活動のことも随分と勉強し、学びました。
社会も、オンラインの会議とかが当たり前になりました。
伴って、社会の仕組みや学びの姿も大きく変貌しました。

コロナがなかったとしても、何もなくても、この鳥観図は3年とか5年ごとに、自分で書き直さなくてはいけないと思っています。
もちろん、自分ひとりで書き直すよりも、走林社中のメンバーが皆で協議しながら作る方が、より正確なものとなるでしょう。

しかし残念ながら、この鳥観図を作るための作業をオンラインで行う方法は見いだせていません。
したがって、コロナを挟み6年もの間、この鳥観図の書き直しが行えていません。

そこで、2024年度には、走林社中で再び鳥観図を作る活動を皆さんとしようと思います。
1年間をかけて、何回か集まって、鳥観図を作る作業をしたいと思います。
日程は、集まった皆さんが一番参加できる日を調整します。
参加費はいただきません。
しかし交通費は、皆さんの交通費を合計して、頭割して徴収し、それを全員に支給します。
遠くの人も、近くの人も同じように負担してもらう仕組みとします。

鳥観図を作った後は、その中で自分が何をしなくてはいけないか、何をしていこうかを考えることになると思います。
それは自分の活動や団体の運営の上に、自然体験の振興のための活動を行うこととなります。
これは決して楽なことではありません。
私は、そういう活動をすることをworkhardしてくださいと言っています。
このworkhardしてくれている人が、現在の走林社中の幹事や、モモの部屋のメンバーの中にも何人もいます。

また、自然体験の振興のための活動をしなくても、自分の活動、団体の活動をする中で、日本全体を視野に入れて、活動していくことも悪いことではありません。
日本全体を視野に入れていれば、各々の活動も変わってくるものです。

走林社中のメンバーと共に、いつも連絡取り合っていれば、色々な情報が入ってくるようになり、自分の団体がしなくてはいけないことも変わってくると思います。
例えば、貧困家庭の子どものために、日本アウトドアネットワークが行っているSPS事業の情報も入ってきますし、それが何のための活動かも理解できます。
そうなれば、自分の団体でも、その事業を受け入れるということも、抵抗なく行えるでしょう。