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コラム『雑記帳』

1983年国際自然大学校設立当初より発刊していた機関誌『OUTFITTER』に寄稿していたコラムです。
現在、機関誌『OUTFITTER』は、廃刊となりましたので、WEBにて、コラムを書き続けています。
現在は月1回、1日に更新しています。

『農作業は自分の責任での決断の連続』

2021.5.2


畑仕事が忙しい季節になってきました。
私のような永遠の畑仕事初心者にとっては、いつどのような仕事をするかということを、毎年毎年、迷ってしまう季節なのです。
そういいながら、まずは、たい肥や石灰を撒きました。
先日は、畝を作って、葉物野菜の種を撒きました。
次に、ネギの苗を買ってきて、それも植え付けました。
今日は、トマトやピーマン、ナスのマルチシートを敷きました。
そのマルチシートを敷くときに、化成肥料を少し混ぜておきました。 

何をどうしたらいいか、色々聞くのですがご近所の人や、苗屋さんのアドバイスが
みんな違うんですよね。
迷ってしまいます。
結局は、自分の責任で判断し、作業するしかない。

そして次に厄介なのは、お天気です。
この作業を今日するか、明日するか。明日の天気はどうなのだろう。もし雨だったらどうしよう。
そんなことを考えて、今日は何をするか、明日はどうするか、いろいろ考えなくてはいけないのです。

私は間違っても農家とは言えません。
しかし、農家の方は、このような、いつ何をどのようにするかということを、毎年毎年、自分で考え、決めて、自分の責任で進めているのですね。
これって、結構な決断力がいると思います。
極端に言うと、毎日決断の連続なんですね。

そして、今日種を撒くとしたら、その前に肥料を畑に撒いておかなくてはいけないでしょうし、畝も作っておかなくてはいけない。
そんな準備も、いつするかを考えておかなくてはいけません。
以前もお話した、段取り八分というのは、ここでも存在する感じです。
でも、毎年毎年同じことをするので、この段取りは、ある程度の先読みはできますし、道具の準備も、きちんと整理しておけば、スムーズにすすむものだということが最近はわかってきました。

そして、今日身に染みて感じたのは、後片付けです。
今日はマルチシートを敷いたのですが、頑張りすぎて、ちょっと脱水状態になってしまいました。
でも、後片付けはきちんとしないと、次の仕事の時に困ります。
休憩を入れながら、身体を休めながら、必死の思いで片付けをしました。
ちゃんと、片付けをする体力と時間も残しておかないといけないと、しみじみ感じました。
もしかしたら、この農作業を体験することは、仕事を進めるうえで、役に立つかもしれないと思います。
現場で仕事をして、後の片付けや、書類の整理がなかなかできない人が、自然体験の世界には多いです。
そんな人たちに、農作業をさせたら「え?もう仕事辞めちゃうんですか?まだこんな時間なのに」と、思われるでしょう。
でも、農機具を片付けて、カマやクワを洗って研いで、きちんと元に戻す仕事の時間を計算して仕事しないといけないのです。
そこまで自分でして、仕事を仕上げたということなのでしょう。

このように『畑仕事』とは、決断をし、自ら仕事のすべてを進める学びの多いものだと思います。