日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

コラム『雑記帳』

1983年国際自然大学校設立当初より発刊していた機関誌『OUTFITTER』に寄稿していたコラムです。
現在、機関誌『OUTFITTER』は、廃刊となりましたので、WEBにて、コラムを書き続けています。
現在は月1回、1日に更新しています。

『青臭い議論』

2021.4.1

今年度も、この『雑記帳』を、どうぞよろしくお願い申し上げます。 

40年近く書き続けてきました。そしてこれからも書き続けていくつもりです。 

先号(3月16日号)と同じようなことをお話しすることになりますが、年度初めですので、あえてお話させていただきます。 
どうかご理解をいただき、お読みください。 

今年も、走林社中という私塾を継続します。 
コロナが収まって、実際に皆さんが集まって、いろいろなことを議論し合える時が来るといいのですが、もうしばらくは少し難しそうです。 
しかし嘆いているばかりでも仕方がないです。 
それに、このコロナで新しく手に入れることができたこともあります。 
少し冷静にそのあたりを整理してみたいと思います。 
実際に集まってお話をすると、色々深い議論ができることは間違いありません。 と、いうか、そう思っていました。 

しかし、本当にそうだったのでしょうか? 
会議で、目の前のことを解決するために議論は結構してきたように思います。 
しかし、目の前の問題ではなくて、将来のこと、天下国家のことというような話は、いつでもできる。飲みながらしようということがあるのではありませんか? 
実は、その飲み会は、ついつい、面白おかしいおしゃべりに流れてしまうなどということが多いのではないでしょうか。 
そして「あぁ、もう少し議論したかったな…」という思いが残ってしまったりしますよね。 
でも「飲み会で、いろいろお話したし、ずいぶん仲良くなれたからいいか…」と、思ってしまっている。 
このコロナ禍では、リモート会議が主流になって、今度は飲み会とかはできなくなり、その親しくなる人間関係作りが難しくなりました。 
反面、今までは難しかった、遠くの人とも、時空を超えて、簡単に顔を見ながらお話しすることが、当たり前になりました。 
それは画期的なことだと思います。 
また、リモートでいろいろなことを効率よく話して、結果を出す方法も手に入れてきたように思います。 
私の場合、面と向かってする会議よりも、準備を丁寧にするようになったように思います。 電車で移動する時間や、会議前の待ち時間がない分、準備に時間がかけられるように思います。ですから、会議の効率は良くなったのではないでしょうか。 
しかしやはり、親しくなるための飲み会とかができないというストレスも抱えていますね。 

こんな風に考えていくと、実は、飲み会とかではなくて、もっと大切なことを議論する時間を私たちは欲しているのではないでしょうか。 

青臭い議論といわれるかもしれません。 

これからの日本の国はどうなるとか。これからの日本の教育はどうしたらいいとか。
日本の自然体験はいかにあるべきとか、いやいや世界のそれはどうあるべきかといった議論を、大真面目に、しらふで、みんなで議論する時間が必要なのではないかと思います。 

きっと、投げかければ、若い人たちは、それを欲しているのではないかと思うのです。 
もちろん面と向かってできたらいいですが、リモートでもできるのではないでしょうか。 
今年はそんな議論をリモートでチャレンジしてみたいななんて思っています。 
だって、リモートなら日本中の人たちと、簡単に集えて、話ができるのですから。 

もちろんチャンスがあれば、皆さんで実際に集いたいとも思っています。 

そして、もうひとつ、今までから大きな転換があります。 
私が、誰かをどうするかということではなく、この4年間幹事をしてくれた人たちが、率先して、その議論を引っ張り、活動を起こしていく原動力になっていくということです。 
もちろん私自身のその中のひとりとして、活動はしていきます。 
そして、議論をするだけではなく、実際の行動につなげていきましょう。それがこの塾の名前を『社中』にした意味です。 
ただ学んだり議論するだけではなく、実際に行動に起こしていこう。そして続けていけるような仕組みにしていこうということです。 
学んだだけでは、社会は変わりません。小さなことでも実際に行動に起こしていけば社会は少しずつ変わっていくと思っています。 

もちろん、若い人でないといけないということではありません。 
もちろん、私もこの中核メンバーとしてまだ頑張ります。 
もちろん、議論に聞き耳を立てて、聞くだけの参加も大歓迎です。 

とにかく、世のため人のために何かがしたいという、志のある方なら大歓迎です。 

ご一緒しませんか? 

それが今年の走林社中です。 
この議論と活動を通して、地域に有用な人材が育っていってくれたらいいなと思っています。