日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

コラム『雑記帳』

1983年国際自然大学校設立当初より発刊していた機関誌『OUTFITTER』に寄稿していたコラムです。
現在、機関誌『OUTFITTER』は、廃刊となりましたので、WEBにて、コラムを書き続けています。
現在は月1回、1日に更新しています。

『65歳になって変わりました』

2022.5.1

先号で「65歳になってこんなことします」と、勇ましいことを書きました。
しかし、この1~2ヶ月、結構つらい状況が時々襲ってきます。
65歳になって、少し体が変わったようです。
片頭痛持ちになってしまったようなのです。
天気の変化で…なのでしょうか、突然頭痛が襲ってきます。
季節の変化だとまだ言い切れるわけではないのですが、どうもそんな感じです。
そうなると、頭が痛くて、何もできなくなってしまいます。
もちろん、鎮痛剤を飲んで、しばらくすれば治まってきます。
これから、この頭痛と付き合っていくすべを手に入れなくてはいけないわけです。
鎮痛剤をいつも持ち歩いて、来た~って思ったなら、すぐにそれを飲むというのも、ひとつでしょう。
そんな風にして、無理やり働き続けるという方法もあるでしょう。

ネットで調べたら、カフェインを摂取するのもひとつの方法だそうです。
鎮痛剤ほど速攻性はないのかもしれませんが、少しは楽になるような気がします。
調子が悪くなったら、おとなしくして、お茶を飲んでやり過ごすという方法もあるのかもしれません。
しかし、それだと、働き続けるというのは難しいかもしれません。
いやいや、今までのように、ガンガン働くことはできないかもしれません。
そろそろと、ゆるやかに働くことはできるかもしれません。

と、いうことは、そんな風に少し働き方を変える頃合いなのかもしれません。
人間というのは歳をとれば、多かれ少なかれ、そんな風に身体が変化し、その変化に合わせて、上手に生きていく。
それが、自然な生き方なのではないでしょうか。

そういったことも、人生の中での自然体験なのではないだろうかと今感じています。
自然の中に出ていく体験活動ではありませんが、人間の身体の変化という自然の摂理の中での体験活動をしているように感じています。

その体験というのは、生活というか、暮らし方、働き方の変化ということなのでしょう。
ガンガン働いて、ガンガン稼いでという働き方ではなく、ゆっくりと、少しずつ働くのです。その代わりに、丁寧に働きます。そんな働き方を考え、変えていかなくてはいけないのだと思います。

食生活もです。
ステーキとか、フランス料理とか、スーパーやコンビニのお惣菜、ラーメンなどを日常的に食べると、すぐ口内炎ができてしまいます。町での暮らしですね。
小淵沢での暮らしは、お米は10キロずつ精米して、毎日炊きます。まず主食のご飯はある。おかずは、畑の野菜を採ってきて、調理して食べる。
野菜炒めとか、野菜炒めとか…ですね(笑)
後は、お茶づけをよく食べるようになりました。

今までの食生活と比べると、ずいぶんと質素な食生活ということになります。
しかし、それが「生活に合わせた適度な食事」なのではないかと思っています。

そして、そんな暮らしをするということは、人前に出ることも少なくなっていきます。
たとえ人前に出るとしても、以前ほど、服装を気にしなくても許されるようになって来るのではないかと思っています。
ですから、あまり、いろいろな洋服を買う必要もなくなってくるように思います。
今まで使ってきた洋服で十分に間に合うと思っています。
結果、新しい服を買うことがあまりなくなってきます。
ここでも質素な生活になっていきます。

質素な生活を目指すのが、65歳を過ぎての目標になるのかもしれないと思います。

そのような生活というのは、考えてみると、
ゆっくりと働くということは、他の人に仕事を作ることにもなり、「働きがいも経済成長も」とか「貧困をなくそう」というSDGsの目標に、つながるのではないでしょうか。
同じように食べ物をある程度自分で作って食べることは、フードロスを減らすことになり、「飢餓をゼロに」の目標につながるのではないでしょうか。
また、洋服をあまり買わないでいるということは、素材である石油製品や綿花の製造を軽減させることになりそれは「気候変動に具体的な対策を」につながるのではないでしょうか。

今更かもしれませんが、大都市で暮らすと、そういう暮らし方はできないように思います。
もちろん、年齢を経たからこそできることであるかもしれません。
しかしSDGsの17の目標は、都市型生活から、地域型生活に、自らのライフスタイルを変えることなのではないでしょうか。
また、みんなで、働き方や、食生活や、ファッションを質素なものに変えていくということなのではないでしょうか。

自然体験のもうひとつの目標は、自然の中での体験だけではなく、生きていくこと。
人生の中で何が自然な言い方なのかを、自分自身で考え、それを実体験し、身をもってそれが正しいかどうかをきちんと感じていくことなのではないでしょうか。

「感じ、考え、行動する」という言葉を国際自然大学校設立当初に標榜しましたが、今は、「考え、行動し、感じる」というサイクルにしていくことなのではないでしょうか。

と、いうわけで、片頭痛のなか、今までになくゆっくりと時間かけてこの原稿書きました。