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コラム『雑記帳』

1983年国際自然大学校設立当初より発刊していた機関誌『OUTFITTER』に寄稿していたコラムです。
現在、機関誌『OUTFITTER』は、廃刊となりましたので、WEBにて、コラムを書き続けています。
現在は月1回、1日に更新しています。

『朝の連続テレビ小説がいい!』

2021.7.1


 

今、NHKで放送されている朝の連続テレビ小説は『おかえりモネ』といいます。 

朝の連続テレビ小説を見るのは何年ぶりでしょうか。 

皆さんはご覧になっていますか? 

森林管理署で働くモネが、気象予報士の試験受けたりするお話のようです。 

これからどうなっていくのかは、わからないですが、ちょっとはまり始めているという感じです。 

なんといっても、森林管理署とか気象の話とか、私たち自然学校の仕事にとても身近な話題なので、親近感があります。 

最近は、そこにお医者さんが絡んできて、命の問題にも少し踏み込んできています。 

チョット、恋の予感も…。 

うまいこと、多くの視聴者が巻き込まれていくように作っているな~と思いながら、まんまと巻き込まれています。 

こんなを番組見ていると、いつの日か自然学校が、こんな連続テレビ小説になったらいいな~と、思ってしまいます。 

 

今の自然学校は、それぞれ地域で頑張っているし、いい仕事していると思うのです。 

その方法は、色々あっていいし、それぞれの地域で考えられる最善の方法で、活動をしているのだと思います。 

最近は、そんな各地の活動を見たり聞いたりするのが楽しみでなりません。 

 

しかし、そのように頑張っている各地の活動はみんな色々で、てんでばらばらの活動に見えるから、日本の中で起きていることとして、なかなか理解してもらえないのが現実のように思います。 

『自然学校』という名前でくくれるといいのですが、その名前で果たして一括りにしてよいのかと思えるような活動もあったりします。 

もちろん自然学校と名乗っていない活動も多々あります。 

いいえ、名乗っていない活動の方が多いかもしれません。 

 

では、何かいい名前とか、くくり方があるかというと、今のところいいアイデアはありません。 

各地で活動をしている人たちも、自分がしていることと同じような活動が、日本のどこかで展開されているなどと思っていない方も、まだまだいらっしゃると思います。 

 

各地の活動…と申し上げてきましたが、それはいったいどんなこと?と、思われる方も多いでしょう。 

 

例えば、猟師が周りの人たちに、猟を通して命の大切さを伝える事業をしていたり 

かやぶき屋根の職人が、その技術を伝える中で日本文化を世界に発信したり、人を育てていたり、 

日本の児童養護施設の子どもたちに、キャンプで自立を支援するカナダ人がいたり 

イランイラク戦争を体験し、日本を訪れたイラン人が日本の農業で人を育て、日本の教育を問い直していたり 

サーフィンをする人が、ごみ拾いとビーチマネーを結び付ける活動をしていたり 

まさに、モネのように森林組合で、森づくりで村おこしをしようとする人がいたり 

わかりやすく、森のようちえんの活動で、子どもたちを育てようとしている人がいたり 

 

このように、自然の中で人を育てたり、環境を守ろうとしたり、一次産業を守ろうとしたりする活動をしている人が、まだまだたくさんいます。 

どの活動も、自然の中で人々とともに行っています。 

これらの活動を果たして自然学校といっていいのでしょうか。自然学校と呼べるのでしょうか。 

自然学校と、ひとつにまとめてしまっていいのでしょうか。 

 

このような自然の中での活動をしている人々。 

自然環境を守るにしても、一次産業を守るにしても、その活動を継続するために共通しているのは、みな「人を育てようとしている」と思います。 

そんな風に【自然の中で人を育てる活動】…そんな活動を自然学校と呼べば、呼べるかもしれません。いえ、もっといい名前があるかもしれません。 

 

どうして、こんな風にひとまとめにしたがるかというと、 

 

今までは、文部科学省とかが全国に紋切り型…お決まりの社会教育団体を作ってきました。 

戦後すぐは、それでよかったのかもしれません。 

しかし、このような紋切り型の地域の団体作りは、もう通用しない時代になりつつあると思のです。 

各地域で行っている、多種多様な活動を大同団結して、文部科学省というか、多くの日本人が認識しないではいられないような形を見せることで、【地域社会での教育の仕組み】が変わっていくのではないかと思っているのです。 

 

この地域社会での教育の仕組みを変えていくことによって、学校教育の負荷も変わっていくのではないでしょうか。 

学校教育から地域社会へ、もう少し教育を分担する必要が間違いなくあると思います。 

その分担する方法は、地域よって違っていいのだとも思います。 

その形を地域の【自然の中で人を育てる活動】を中心に考えるのは、大都市は別として、多くの地域社会は、まだまだ自然環境とともに暮らしているからです。 

ですから【自然の中で人を育てる活動】で、地域での教育の仕組みを変えていけるのではないかと思うのです。 

 

そのような活動には、ドラマもありますし、神秘的なこともあります。 

そこには多くの人がかかわりますので、ほろ苦い出来事ももちろんあります。 

きっと連続ドラマにしたら面白いのだろうな~と、思っています。