日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅲ 自然学校と企業との連携

自然学校は人と自然を繋ぐ役割だけではなく、企業と連携することによって、「人・物・金」が動き、活動の幅が広がります。そこに参加する、子どもたちやスタッフにより良い環境を提供できるような、長く続く仕組みを作っていきます。

「コラボレーション企画について」

2021.8.1

これまで、商品を割引で購入できる「プロセールス」、そして商品提供をうける「モニター」のことについて書いてきました。今月は、「コラボレーション」について書きたいと思います。コラボレーションと聞くと、何を想像しますか?当たり前の話ですが、企業同士で、商品と商品を組み合わせて共同で販売したり、どちらかの商品に名前を入れたりと、「期間限定」というお得感のあるイメージがあると思います。
  昨年の話になるのですが、アウトドアショップと自然学校のコラボレーション企画「体験割引チケット付きのTシャツ販売」を行いました。この話を頂いたときは、世の中はコロナウイルスによる一回目の緊急事態宣言中でした。多くの自然学校は、ツアー中止や延期、職員は休業や在宅勤務といった状態の時でした。
「困っている自然学校を始めとするアウトドア事業者を助けたい」。先方からのこの一言で、コラボレーション企画を進めることになりました。では、具体的にどのように進めたのかをまずはご紹介します。

「自然学校プログラム体験割引チケット付きTシャツ販売について」
(1)自然学校3団体でカラーを変えて販売。
(2)6,000円のTシャツを購入すると、3,000円の割引チケット付き。
(3)チケットの有効期限は3年間とする。

1団体でやるよりも、複数団体で行うことで多くの人にこの活動を届けることができ、チケット有効期限に幅を持たせたのは、コロナ禍で今は参加できないけれど、またいつか参加する時のために。という、夢をもったチケットにしたかったからです。結果としては、自団体だけで二十数枚の販売となりました。購入してもらえただけでも、凄く嬉しいことだったのですが、中にはずっと参加してくれていた子どもが、大学生になり購入してくれていました。これは、本当に感激した出来事でした。
 また、夏休みに、購入したTシャツを着てキャンプに参加してくれた子どもたちがいました。その姿を実際に目にすると、胸にこみ上げてくるものがあり、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
 このように、たくさんの方々の気持ちに触れることができ、改めて「誰のために私たちは事業をしているのだろう」、「何をしなければいけないのだろう」ということを考えさせられた気がします。

さて、コラボレーションとは何も今回のような形ではなくても、色々と考えられると思います。キャンプにおけるコラボレーションの可能性とは、他にどんなことが考えられるでしょうか?キャンプはプログラムも重要ですが、「生活」するということにも目を向けなくてはいけません。衣食住はもちろんのこと、生活用品であったり、身の回りの物や事にもコラボレーションの可能性はあるのではないでしょうか?例えば毎日使うもの、食器や箸、スプーンなどはどうでしょう。
メーカーに協力してもらい、自分で作った食器でご飯を食べることが、実は食べ物の美味しさや大切さを知るきっかけになったりするのではないでしょうか。実際、子どもたちにとってはその方が楽しかったりするのかもしれません。ハウスメーカーや工務店さんと、ログハウスを作成することも壮大ですが、森のことを知るには一番よいプログラムになるかもしれません。
 このように、コラボレーションの先にある「目的」をどう考えるかによって、可能性はまだまだ広がることだと思います。そして大切なのは、いつその相手と出会うか分からない、逆に言うと、明日会うかもしれないと考えると、私たちは常日頃から、このようなキャンプと繋ぐ何かアイデアをストックしておくことが重要なのだと思います。

https://www.haveanicetime.jp/