「アウトドアメーカーとのプロセールスプログラム」
2021.6.25
先月、5月のブログでは、アウトドアメーカーが自然学校のことをどれくらい理解しているのか?ということを書きました。認知はしているが、活動内容まではほぼ知られていないという認識で、大きくはズレてはいないと思います。しかし、まったく繋がりが無いわけではありません。今月は、アウトドアメーカーとのプロセールスプログラムについて、これまでの実践を交えて説明したいと思います。
アウトドアメーカーとのプロセールスを簡単に説明すると、
「個人や団体でメーカーにプロ登録し、そのメーカーの商品を割引で購入することができる」といったことになります。
「え~~いいなぁ」と感じますよね?アウトドアメーカーの商品を買ったことのある人からすれば、それなりに高価な物が、安く購入できるなんてなんて羨ましい!ときっと思うはずです。そしたら、プロでなくても、自然学校に関わるキャンプリーダーにもその登録をすればいいのではないか?と思う人も多いのではないでしょうか。商品が売れれば、みんなハッピー。私もそう感じたこともありました。 しかし、それを許してしまうと、どうなっていくと思いますか?商品が売れることは間違いないでしょう。でも、歯止めが利かなくなると、転売をされてしまったり、自分のためではなく家族のために代わりに購入したりと、悪い方向に進んでいく可能性があります。価格破壊も起こり、ひいては、メーカーの評判やイメージを崩すことになってしまいます。イメージが悪くなると、客足が離れていってしまいます。
つまり、プラスだったことが、いつしかマイナスに転じてしまうことがあるということです。このようなことから、プロセールスプログラムは、ある一定のルールに沿って仕組みを作る必要があります。
では、実際に自然学校をはじめとしたアウトドアネットワーク団体と、某アウトドアメーカーとのプロセールスプログラムの実践について、説明していきましょう。まず、プロセールスプログラムに登録するにあたり、どんな人が条件になってくるのかが重要です。そこで、このような枠を作ります。
(1)ネットワーク団体に加盟する団体所属のスタッフであること。
※下記いずれかの条件を満たすことを必要とします
ア)週4日以上の野外活動関連の事業を生業としている。
イ)日本野外教育学会に所属する大学教員。
こうすることで、ボランティアレベルの人は、対象外とする必要があります。
プロは、実際にその商品を着て現場に立つことが多いので、その差は、一般の方々に届く「宣伝効果」が違うのがポイントです。
では次に、ルールを設定します。
(1)家族や友人へのギフト用ではないこと
(2)登録は1年毎の更新であること
(3)割引率は、口外しないこと
このようなルールを決めていきます。これは、先ほども説明した通り、歯止めが利かなくなっていくことの防止策です。更新が必要なのは、退職したり異動すると、プロではなくなる可能性があったり、中には様々なメーカーからプロセールスを受けている人もいるので、割引率の口外は、タブーな世界なのです。もちろん、不正があれば、登録の解除もあります。
実際、4年間の成果としては、毎年100名前後の登録があることと、爆発的ではありませんが、売り上げに貢献できていることです。メーカーからすると、毎年100名程の、顧客データを手に入れることができることは、大きなメリットになるはずです。
課題となることは、このプロセールス内でのコンスタントな売上と、継続して関わるためのアイデアが必要ということです。それには、5月分でも書いたように、メーカーと私たちが密なコミュニケーションで意見交換をしていくこと、こまめな連絡や実際に自分が購入しフィードバックすることが重要なカギなのだと思います。