日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅲ 自然学校と企業との連携

自然学校は人と自然を繋ぐ役割だけではなく、企業と連携することによって、「人・物・金」が動き、活動の幅が広がります。そこに参加する、子どもたちやスタッフにより良い環境を提供できるような、長く続く仕組みを作っていきます。

「アウトドアメーカーとのプロセールスプログラム」

2021.6.25

先月、5月のブログでは、アウトドアメーカーが自然学校のことをどれくらい理解しているのか?ということを書きました。認知はしているが、活動内容まではほぼ知られていないという認識で、大きくはズレてはいないと思います。しかし、まったく繋がりが無いわけではありません。今月は、アウトドアメーカーとのプロセールスプログラムについて、これまでの実践を交えて説明したいと思います。

アウトドアメーカーとのプロセールスを簡単に説明すると、

「個人や団体でメーカーにプロ登録し、そのメーカーの商品を割引で購入することができる」といったことになります。

「え~~いいなぁ」と感じますよね?アウトドアメーカーの商品を買ったことのある人からすれば、それなりに高価な物が、安く購入できるなんてなんて羨ましい!ときっと思うはずです。そしたら、プロでなくても、自然学校に関わるキャンプリーダーにもその登録をすればいいのではないか?と思う人も多いのではないでしょうか。商品が売れれば、みんなハッピー。私もそう感じたこともありました。                                         しかし、それを許してしまうと、どうなっていくと思いますか?商品が売れることは間違いないでしょう。でも、歯止めが利かなくなると、転売をされてしまったり、自分のためではなく家族のために代わりに購入したりと、悪い方向に進んでいく可能性があります。価格破壊も起こり、ひいては、メーカーの評判やイメージを崩すことになってしまいます。イメージが悪くなると、客足が離れていってしまいます。

つまり、プラスだったことが、いつしかマイナスに転じてしまうことがあるということです。このようなことから、プロセールスプログラムは、ある一定のルールに沿って仕組みを作る必要があります。


 では、実際に自然学校をはじめとしたアウトドアネットワーク団体と、某アウトドアメーカーとのプロセールスプログラムの実践について、説明していきましょう。まず、プロセールスプログラムに登録するにあたり、どんな人が条件になってくるのかが重要です。そこで、このような枠を作ります。

1)ネットワーク団体に加盟する団体所属のスタッフであること。

※下記いずれかの条件を満たすことを必要とします

ア)週4日以上の野外活動関連の事業を生業としている。

イ)日本野外教育学会に所属する大学教員。

こうすることで、ボランティアレベルの人は、対象外とする必要があります。

プロは、実際にその商品を着て現場に立つことが多いので、その差は、一般の方々に届く「宣伝効果」が違うのがポイントです。

 では次に、ルールを設定します。

(1)家族や友人へのギフト用ではないこと

(2)登録は1年毎の更新であること

(3)割引率は、口外しないこと

このようなルールを決めていきます。これは、先ほども説明した通り、歯止めが利かなくなっていくことの防止策です。更新が必要なのは、退職したり異動すると、プロではなくなる可能性があったり、中には様々なメーカーからプロセールスを受けている人もいるので、割引率の口外は、タブーな世界なのです。もちろん、不正があれば、登録の解除もあります。

実際、4年間の成果としては、毎年100名前後の登録があることと、爆発的ではありませんが、売り上げに貢献できていることです。メーカーからすると、毎年100名程の、顧客データを手に入れることができることは、大きなメリットになるはずです。

課題となることは、このプロセールス内でのコンスタントな売上と、継続して関わるためのアイデアが必要ということです。それには、5月分でも書いたように、メーカーと私たちが密なコミュニケーションで意見交換をしていくこと、こまめな連絡や実際に自分が購入しフィードバックすることが重要なカギなのだと思います。そして、新しいアイデアが必要です。みなさんで一緒に考えていきませんか?