日本を、支える人材、けん引する人材、を育てる

Ⅲ 自然学校と企業との連携

自然学校は人と自然を繋ぐ役割だけではなく、企業と連携することによって、「人・物・金」が動き、活動の幅が広がります。そこに参加する、子どもたちやスタッフにより良い環境を提供できるような、長く続く仕組みを作っていきます。

「アウトドアギアのモニターについて」

2021.7.1

先月のブログでは、メーカーとのプロセールスプログラムについて、自然学校への理解度や仕組み作りのことをお伝えしました。一般の方よりも安く商品を購入することができますが、商品を使ってみた感想などを報告する義務は特にはありません(メーカー毎に違うのかもしれませんが)。だとすると、関係性でいうと、割引以外ではあまり一般の方々との大きな違いはないということです。 

 もう少し関係性が密になることを、今月は紹介していきたいと思います。一番濃い関係性は「スポンサー」になります。商品はもちろんのこと、活動費として、資金面の支援があるということです。その資金で、アウトドアでの活動を通して、メーカーの名前を世の中に売るというわけです。簡単に言えば、「広告塔」というわけです。「あの人が着ていたから、自分も買お~う」なんてことありませんか?私もよくその手にはまったものです・・・。ですから、スポンサーからすると、支援する人のイメージとは大切なわけです。この領域には、自然学校の職員ではなかなか到達できません。どちらかというと、アスリートが対象になりやすいわけです。話を戻しますが、「モニター」はご存知でしょうか?言わずと知れた、商品を使って感想をフィードバックすることを指します。ここで、この商品を使うことや、感想をフィードバックするという関係性の中で、お互いのメリットを整理してみましょう。どんなことだと思いますか?

【メーカーのメリット】

1、現場の人の声(感想)が聞ける。

2、モニター以外の事業で繋がる可能性がある。

3、モニターが持つ顧客やネットワークにアプローチできる可能性がある。

【モニターのメリット】

1、商品を使用できる。

2、商品やメーカーに詳しくなる。

3、モニター以外の事業で繋がる可能性がある。 

 メーカーからすると、実際に使用する人たちの声(感想)は、良い意見も、悪い意見も今後の商品開発にとって大切な材料になるということです。一般の方々は購入してほぼ終わりですが、モニターはその義務があるので、そこが大きな違いです。また、モニターがもつ顧客やネットワーク団体へ宣伝ができることも場合によっては可能になるわけです。例えばそれが数百人だとすると、宣伝効果という意味では大きいですよね。この辺は、プロセールスプログラムともリンクする部分でもあります。

 一方、モニター側はもちろん商品を無料提供していただけるメリットは大きなことです。さらに、メーカーから直接話を聞くことができると、店頭で聞くレベルではない話まで聞くことができ、詳しく理解することができるということです。また、事業にそのメーカーを呼び、コラボレーション企画をする可能性も十分あると考えてよいでしょう。

 このように、メリットはお互いあることがお分かりだと思います。ただし、商品を提供される、フィードバックするだけではダメだということも忘れてはいけません。その先にあることに、お互いが意見交換しながら進むことが、このモニターのゴールがあると考えます。

1、他のスタッフへの試着会

2、SNSツールを利用した宣伝

3、モニター側がもつ顧客やネットワーク団体へのアプローチ

4、商品開発

 無料で使えるから良し。ではダメだということですね。お互いの旨味はどこにあるのかを、しっかり理解したうえで進めないといけません。

それには、屈託のない意見を言うコミュニケーションをとることが、一番重要なのかもしれません。