第851回 ゲスト 笹川陽介さん
2024.10.9
20241009ゲスト笹川陽介さん
桜井義維英
皆さん、こんにちは。10月9日、第851回の道草寄り道きまぐれラジオです。今日はゲストの方に来ていただいています。というか、 ちょっと最近は出てなかったけども、何回か来てて、もう常連さんになりつつある新潟のあそびそだちiLabo理事長の笹川さんに来ていただいてます。笹川さん、こんにちは。
笹川陽介
はい、こんにちは。どうも。
桜井義維英
でも今日はあそびそだちiLaboのこととかではなくて。
災害支援でお正月の震災後ずっと行かれてたけれども、当然 この前の大雨の後もすぐにお手伝いに入られたということを伺ったんで、その時の様子をちょっと聞けたらいいなと思って。今日ご出演いただいてます。よろしくお願いします。
笹川陽介
はい、よろしくお願いします。
桜井義維英
具体的に9月の大雨の後、どれくらいで現地に行ったの。
笹川陽介
そうですね、9月21日でしたね。特別警報が能登にっていう形でで。
これはちょっとあれだなと。要するに、僕は2月の頭から月に一遍能登に通っていたので、そこに。そ、そういう状況かと。
しかも、輪島市の門前町というとこにいつも行ってるんで。
笹川陽介
向こうの人に大丈夫。と連絡をして、ま、大丈夫じゃないのはわかってるんですけど、それで自分のスケジュールを見たらですね、その3日後の24日の火曜日だったら行けるやと思って。 じゃあとりあえず日帰りで行くわと、ことを連絡して、行きましたね、3日後に。
桜井義維英
それは、連絡した先っていうのは、お正月の震災からずっと、月に1回行ってらっしゃる、 関係ができている団体かなんかが向こうにあって?
笹川陽介
そうなんですね。はい。その、輪島市門前町で拠点を構えてですね、やっている災害支援NPOありんこという団体がありまして、基本的には女性が1人中心人物がいて、そこに 各地からボランティア集まるっていうような感じではあるんですけど、そこの人との関係性ができていたので、行ったわけですね。
桜井義維英
なるほどね。行ってどうでした。まず感想。率直な感想。行った感じっていうの。
笹川陽介
そうですね、僕がもう行った段階では、水は引いてますけから、多分、何も知らずに車を走らせて入ったならば、あまりなんかあったのかっていうことは気づきにくいかもしれないんですけど、川を見れば、とんでもないとこに流木が引っかかってたりとかっていうことが見える。
そして、僕がその日入ったのですね、もう本当、日帰りで作業時間が多分3、4時間しか取れないっていう状況だったので。
で、もうあらかじめ言っといて、そういう状況だからと、できるとこに、入れてくれと頼んでですね、ひとつ聞いていたのが、 裏山みたいな斜面の前に立っている高齢者の方のグループホームがあります。
で、そこに濁流がこう流れ込んだんですよね。 建物の1つの建物の1階分が、膝上まで水が来るような状況で、そこで、ベッドで寝てたおばあちゃんたちを、当日、みんなで、 職員の人たちとか、ボランティアで運び出して、隣の建物の2階へ連れてって、また、震災の時のように、段ボールベッドを組み立ててそこに寝てもらって、みたいなことをやったってことなんですね。
僕が行った時は、もう水はない。ただ、その水が入ったところをなんとか綺麗にしなくちゃいけないので、行政が入って、こう、高圧洗浄機とかで、ばーってやるわけですけど、この前段階として、とにかく荷物全部出すっていう作業があったんで、それを、晴れ間のうちに外にみんなでせっせと出すというこぐらいしかね、僕はできませんでしたけど、行ってきました。
やっぱり、施設の人たちもね、いらっしゃるけど、なんていうかな、 なんつったらいんですかね、もう施設の人たちの疲弊状況もやっぱすごく感じますね。
というのも、通常こう、やっぱボランティア行けば、皆さんこう、 ありがとうございますっていうか、感じになるじゃないですか。もうね、ありがとうございますと言ってくれるんですよ。でもね、そんなね、ボランティアにまで構ってらんないっていうか。
桜井義維英
なるほど。
笹川陽介
ああ、なんですかね、本当にこう、心がもうね、折れそうっていうか。当然感謝の気持ちはあるんだろうけど。
そこまで気が回らないじゃないんだけど、そんな感じも受けますしね。
桜井義維英
そうだよな。半年そこそこでやっと元に戻ったっていう時に、また食らっちゃったわけだ。
笹川陽介
そうなんですよね。最初の1月、会ってからは、いくらひどいとはいえ、 またじゃあ頑張っていくかというのは思えたとは思うんです。思えた人も多かったと思うんだけど、もう1回となるとね、やっぱりどうするかなっていうとこあるみたいですね。
桜井義維英
そうだよな。
笹川陽介
ただ、能登の人って、そのありんこの代表の方、女性の方は金沢の人なんだけど、こっち もう門前町入り込んでやってますけど、その方の話によると、やっぱね、能登の奥能登方とか、地域の人たちはね、本当に強いんだと な。強いってのは、本当繋がりが強くて、うん、自分たちでなんとかしようとすると、
で、テレビでその行方不明者が何人とか亡くなった人が何人って、こう出ますけど、数字だけをニュースで見てしまうと、まあ、 被害はあったけど、このぐらいで済んだかって思ってしまうんだけど、ちょっと待てと。その実は水害があって、みんなこう、うちの中、泥入ってきて、実はこう、なんか足が 柱で挟まれて出れないみたいな状況を、こう、ばあちゃんたちが自分らでこうやって泥をかいて、泥をかいて、で、また流れてきて泥をかいて、泥かいて、それをもう何時間もそれを続けて、 ほんでやっとレスキュー入って助け出されたみたいなケースが結構あるんだって言っていて、なんていうか、諦めなかった人が それだけいるっていうことみたいなんですよね。強いっちゃ強い。
だからといって、その人たちにあの状況はなんなんだっていうところですかね。やっぱりね。
桜井義維英
なるほどな。だから、生きようとする。その生き物として、人間の力強さはあるけれども、これだけやられちゃうと、そこから生活の再建にこぎつけるその気力みたいなものが、やっぱそれは社会が助けなきゃいけないんだ。
笹川陽介
そうなんですよね。そう思いますよね。
桜井義維英
生き残っても社会が成り立つようにしてあげなきゃいけないんだろうな。社会性の動物として。
笹川陽介
まさにそうなんですよね。
桜井義維英
なるほどな。また、やっぱりお年寄りが多いっていうこともある?
笹川陽介
そう。それはもちろん多いですね。うん、多いですよね。
桜井義維英
なるほどね。あなたは、でも、1月の震災からずっと月に1回 入り続けてるってことは、それまでは。要は大雨前まではどんな風なことをやってたの。
行くと言っても1泊2日で行くぐらいなので、やはり1日ぐらいしか活動ができないですね。で、自分が普段こっちでやってる子供と相手にしていたり、あるいは お年寄りの体操やったりみたいなことをしてるもんですから、自分のいちばん力を発揮できそうなこととして、ちょっと日中なんで、高齢の方を中心に、こう、運動指導のようなことができるかなと思って、それで入らせてもらいました。
だから、発災当初は1ヶ月後か約1か月後に入った時は、まだ 皆さんこう、避難所と言われる地域の集会所みたいなところに、身を寄せてらっしゃるところに行って、ちょっとこう体をほぐすようなことをしたりっていうことですね。
で、それが何か月か経って、今度は仮設住宅ができたら、仮設住宅のそれぞれのところに集会所というのができますから、そこで皆さんの運動、 コミュニティー取る場としてもそういうのがあったっていうことを中心にやってるっていうとこですね。
桜井義維英
やっぱりだんだんそういう方々は少しは元気になってきてた。
笹川陽介
月に一遍行ってるので、すごく変化が感じられました。で、 先ほど言った通り、強い人たちなので、田舎の方ですから、地域での結びつきもきっと強いですから、最初、本当に、みさん、集会場の畳の上で雑魚寝してるような状況 の避難所に最初行きましたけど、最初はなんとなく、こう、まだ寒い時期でしたからね、ストーブが真ん中にあって、皆さんそれ囲んでお茶を飲んだりとか、
なんとなく、こう、ほのぼのした雰囲気もあってですね、あれだったんですが、当然、その時は水が来てなかったりという状況でしたけど、 これが2ヶ月3ヶ月目ぐらいですね、ぐからい行った時には、 おやっと、ちょっとやっぱ表情が明らかに暗くなってるな、で、こっちのなんか話しかけに対しても、ちょっと反応が暗いなとかっていう風にすごく感じました。まだその時だから、水が来てないという状況でしたからね。
で、こういうことかと。世間で色々遅い、支援が遅いとかって言われてましたけど、いや、こういう風になってくんだなというのをすごく感じましたね。で、集会場、集会場じゃない仮設住宅ができて、今度そこの集会場に行くってなったら、ようやく皆さん、一応すぐそれぞれの住む場所ってのができたわけなので、
うん、そうですね。僕がやる運動指導ってのは、こっちでってか、新潟でやってる時はですね、やっぱ楽しいものを取り入れるんですね。レクリエーション的要素を入れるんですが、 その数ヶ月経って、仮設住宅ができてからですね、ようやくそういうのを取り入れることができました。というのも、なかなかそれまでは、なんかこう、笑いみたいのをこう入れていいのかっていうか、どうもその雰囲気じゃないなっていうか、それどころじゃないなみたいのはあったんですけど、ようやく仮説になって、そういうのをちょっとずつ入れながら笑ってもらうっていうことができるようになっていった という感じですね。たただ、でも、仮説も2年間とかありますし、 今回の水害もあるので、水害後はまだ仮説の人たちに会ってないんだけども。
桜井義維英
やはり
笹川陽介
おばあちゃんたちにどう。って聞くと、なんかなかなか寝れなくてっていうことを言いまして、うん、いや、眠剤もらってんだけどもさと、あんまこればっか飲んでるわけにいかないんだけど、うん、やっぱり周りがなんか気になるし、 もうここの先のことを考えても不安でしょうがないしっていうことを皆さんおっしゃるんですね。またこう、やっぱ波があるんでしょうね、 また不安となってくるっていうところで、
桜井義維英
それもあるけど、いや、俺もこうやってじじいになって畑仕事なんかしててわかるわ。やっぱりさ、 畑とかで一生懸命体動かすと夜は寝れる、
笹川陽介
はいはい、
桜井義維英
でも、やっぱり仮説なんか入っちゃえば、
生活がないよね。
笹川陽介
そう
桜井義維英
そう、今までやってきた生活のリズムがない。
笹川陽介 12:14
そうそうそう、
桜井義維英
うん、ぼーっとテレビ見てるとか。
笹川陽介
そうなんですよ。
桜井義維英
そういうことになっちゃうんだよね。
笹川陽介
そうなってしまう人たちに少しでも、畑やってる時は忘れられるからって言って、畑がある人はね、畑に行ったりしてますね、一応。
桜井義維英
だからこそ、やっぱり体動かすことって大切。
ま、でも、その仮設もね、大雨で水が入っちゃって、なんてニュースきくとね。
笹川陽介
そういう、そういう場所もあります。はい。僕が行ったとこは大丈夫だったんですけど。ちょっと高いとこにあるとこなんで、それは大丈夫なんですけど。
桜井義維英
まあでも、行ってあげることが大事なんだね。
笹川陽介
そうですね。だから、ここも、日帰りで行くっていうのは、本当にね、入らせてもらってる団体の人も、もう心が多分折れそうなんで、 とにかく行くかって言ってあげて、行ったっていう、その、来てくれたっていう、その関係性をね、 やっぱり保ちたかったってのがありますね。うんうん、そこはな、涙してましたしね。
桜井義維英 13:21
ね、なかなか、月に1回行くっつったって、大変なことだろうね。
笹川陽介
いや、僕は別に、皆さんにそう言っていただくんですけど、実は去年の段階で、今年度ってか2024年度は 1つ休みを増やして週休3日ぐらいなイメージにしてたんですよね。実際本当に休むってことじゃないんですけど、 身をちょっと開けとく。みたいな。そしたらこんなことになったんで、これぁ、行けない理由にはならないなと思って。だからもう1月2月の段階で3月までも月1で行く日をばっと埋めたっていう、
桜井義維英
なるほど
笹川陽介
それだけの話なんで、別に偉くもなんともない。
桜井義維英
いや、それは入れたことが偉い ね。ほんとに。いやでもね、1人でも多くの人がこのラジオ聞いていこうって思ってくれると嬉しいな。
笹川陽介
そうそう。そうですね。まだまだ、まだまだというか。はい。まさにソフト面とか。でもね、まだまだ必要っていうか、これからますます必要です。はい。僕は本当は子供のこともやりたいけど、休みの日に行けないもんですから。子供の活動も すごく充実させたい。充実させないといけないですね。遊ぶとこはないです。
桜井義維英
ね、本当は俺もじゃあ行くわって言いたいんだけど、もう行ってもきっと腰が痛いって、ベッド運んでくださいなんて言ったら、運んだらもうダメだみたいな。
せめてね、こういうところで誰か若い人が1人でも見てくれるように思ってくれると嬉しいなと。すいません、今日は忙しいところ。
笹川陽介
いえいえ、とんでもない。
桜井義維英
ありがとう。今度はいつ行くの。
笹川陽介
10月21、22ですね。はい。
桜井義維英
心配な人は笹川さんと一緒に行くっていうのもいいよね。
笹川陽介
はいはい、そうですね。行くって言ったってね、皆さんあてがないとなかなかあれでしょうから。いろんなのがあります。自然学校系だとね、RQとか色々動いてらっしゃいますけども、自分の行けるところで、 そうだね、活躍していただければと。
桜井義維英
というわけで、今日は新潟のそ育ちのハセガワさんに、 後での大雨の後のことを、また震災後のねえ、状況なんかも含めてお話を伺いました。サガワさん、ありがとうございました。はい、ありがとうございました。
今お話伺いましたけど、やっぱり行動を起こすことは大切だよね。親父、じじいになっても行動が起こせなくて、 なんか熟じたるものがあるけれども、ぜひいけそうな方は言ってあげていただけると嬉しいなと思いますし、
選挙どころじゃねえだろうっていう気持ちも若干あったりね。
もう被害で日帰りでも行くぞっていうことが、あの 気持ちが本当に嬉しいなと思います。ぜひ皆さん、行動を起こしてくれるといいなという風に思いました。
それでは今日はこの辺で。
あそびそだちiLabo理事長の笹川陽介さんです。
1月1日の能登の震災後、毎月支援に行かれています。
もちろん、9月の大雨の後もすぐに行かれました。
今回は、その能登の様子をお伺いしました。